J:COMの支援によるプロモーション動画の制作や工房見学のサポートを企画

 学生のアイデアを評価するだけに留まらないのが「大学生と考えるSDGs アクション支援プロジェクト」。ベストアクションに対してJ:COMは、プロモーション動画の制作や工房見学のサポートを行い、アクションが現実となり未来へ羽ばたいていくようサポートします。 

 神藤さんの支援のために訪れたのは大阪岸田市にある田中家具製作所。泉州桐箪笥の伝統を受け継ぐ工房です。日本の家具を代表する桐箪笥は、調湿・防虫効果、耐火性に優れていることから大切な衣類や書物、道具類を保存するのに欠かせない家具として江戸時代から今日まで受け継がれてきました。

 桐箪笥は日本全国でも生産量が少なく、希少価値、付加価値の高い伝統工芸品。中でも大阪・泉州の桐箪笥は、厚く良質な桐の無垢材を用い、重厚で上品な雰囲気が特徴です。

 職人さんも、海外向けのプロジェクトに対して「願ってもないこと」と話してくれました。映像のコンテンツとして、海外の人へ発信するために、神藤さんが特に見せたかったのが「矧ぎ加工」と「組手の技法」。詳しく紹介します。

何枚もの板を継ぎ合わせ1枚の大きな面を作る技法「矧ぎ加工」

 矧ぎ加工とは、何枚もの板を継ぎ合わせ、1枚の大きな面を作る桐箪笥作りの基礎となる工程です。複数の板を繋ぎ合わせるときに、木目の模様が美しく見えるように職人が板を丁寧に削ります。1枚の板で作るよりも強度が増すのも強みのひとつ。また、桐は湿度によって伸縮するため、大きな一枚板よりも、反りやゆがみが少なくなるなど長く使い続けるための技術が詰まっているのです。1枚の板でできているように見える美しい仕上がりは圧巻!

 木目の特徴を表す柾の説明や、伝統的な技法の専門用語。この職人技をどうやって海外の方へ分かりやすく伝えるべきなのか。工房の方と擦り合わせながらすすめていきます。

頑丈に長持ちさせて美しく見せる「組手の技法」

 次に紹介したいのは「組手の技法」。釘やネジを一切使わず、板同士を凹凸に彫り、差し合わせて組み立てる伝統的な木工技法で、この組手が細かいのが泉州桐箪笥の大きな特徴です。

 寸分の隙間もなく組み合わされることで生まれる堅牢な作り。この職人の細やかな仕事こそが神藤さんが世界に伝えたかった魅力のひとつです。

 出来上がった箪笥に実際にふれてみるとその技術が肌で感じられます。真ん中の引き出しを戻してみると別の引き出しが勝手に開いてきます。これはそれだけ気密性に優れているということ。圧巻の職人技術を目の当たりにして、神藤さんも驚きを隠せません!

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