人生のヒントがいっぱいちりばめられた次回作

――最後に、次回作の予定はあるんですか?

 『どうすればよかったか?』の共同制作者・淺野由美子さんが監督した『遊歩ノーボーダー』という映画にプロデューサーとして入っていまして、今年5月から公開予定ですね。骨が弱い特徴をもって生まれた、安積遊歩さんという方の生き様を追ったドキュメンタリーです。

 遊歩さんは「障がい」という言葉を使わず、自分自身を「骨が弱い特徴を持っている」と表現しています。彼女は障がい者差別解消を目指してさまざまな運動を展開した団体「青い芝の会」と出会ったことを契機に、福島の駅にエレベーターの設置を求めたり、障がい者が駅利用中の介護義務を求めて駅長室で座り込みをしている模様を撮影したドキュメンタリーを制作したりしてきました。

――滅茶苦茶格好いいですね。

 そして80年代に渡米して障がい者の自立生活運動を学んだのち、国立市に誕生した自立生活センターの設立に関わり、今はそれが日本中に広がっている。で、なぜ淺野さんが遊歩さんを撮ろうと思ったかというと、遊歩さんが掲げたフェミニズムこそ、淺野さんがずっと感じていたことだったんです。

 遊歩さんを知ったきっかけは脱原発の集会に遊歩さんが登壇したこと。遊歩さんはチェルノブイリ事故が起きたときに、世界の十数カ国に「日本は原発をたくさんつくっているので、外圧で原発政策を転換させてくれ」と手紙を送ったことがあって。するとニュージーランドの首相から「日本に圧をかけることはできないけれど、何か困ったことがあればできるだけのことはします」と直筆の手紙が返ってきて、そこからニュージーランドと深く付き合われているんです。

――行動力がすごい。

 そういう経緯もあって登壇されたんですが、遊歩さんは「素敵だと思った男性がいたらすぐ告白する」とおっしゃいました。「なぜなら自分には骨が弱いという特徴があるので、待っていても男性から告白されないとわかっているから」と、愛と性について語り始めたんです。「待つのは時間の無駄だから、自分から行動する」と。実際、そういう生き方をし続けていて、とにかくすごい方なんです。

――被写体としてこれ以上ない人材ですね。ぜひとも拝見したいです。

 遊歩さんも『どうすればよかったか?』を観てくれたんですが、「この映画が『どうすればよかったか?』なら、次の映画は『こうすればよかった!』だね」って仰っていました(笑)。人生のヒントがいっぱいちりばめられた作品で、『どうすればよかったか?』より大事なものが映っていると感じているので、ぜひ多くの方に観てもらいたいですね。

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どうすればよかったか?

定価 1,650円(税込)
文藝春秋
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