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日常の工夫から生まれた60もの休み方

――今回の『ニャンとも上手な休みかた』では、60もの休み方が紹介されています。ネタ集めはどうのように?

Jamさん これまでたくさん痛い目にあってきたので、実体験に基づいたものがほとんどなんです。編集さんから悩みを挙げてもらったりもしつつ、解決策はほぼ自分の体験から。毎日の中で「これだと楽になる」という方法を集めたという感じですね。

 たとえばジムに通う、夜はスマホをしまっておく、友人とカラオケに行って歌いまくる……どれも実践してきたものなんですよ。夜は箱の中にスマホをしまっておくというのは、一緒に暮らしている猫がコードを引っ張って危なかったので、スマホを片づけるようにしたら、結果的に夜スマホを見なくなったんですけど(笑)。日常の延長にある小さな工夫が多いです。

――今作も4コマ漫画とテキストで構成されていますが、大切にされていることは?

Jamさん 4コマ部分は“あるある”を描き、テキストでは「友達に相談するような感覚」で書くようにしました。読者の方々に「休んでいいんだ」と思ってもらえるように、上から言うのではなく、寄り添うことを意識しました。「こうしなくちゃいけない」は言わないように、できるだけ相手を傷つけないように、という気持ちで書いています。

――制作で苦労されたことは?

Jamさん 実はスケジュールがなかなかタイトで……休み方の本なのに休めませんでした(笑)。でもその中で新しい休み方も見つけられました。

――具体的にどんな休みを取り入れたんですか?

Jamさん 最近だと、友達と7時間ぐらいカラオケに行って、一瞬で最高に癒されて仕事に戻るみたいなことをしましたね。だらだら過ごすより、思いきり遊び尽くした方がストレスが発散できるんです。中途半端に休むと「サボっちゃった」と罪悪感が残るけれど、遊び切ると「休んだ!」という充実感が得られる気がします。

――今回の制作を通して、ご自身の休み方は変わりましたか?

Jamさん 大きくは変わっていませんが、「休み方のストック」が増えました。まとめて書き出すことで可視化されて、「こういうときはこの休み方」と引き出しが多くなった感覚です。半年間ずっと休み方のことを考えていたので、休むプロになっているといいんですが(笑)。

2025.10.14(火)
文=船橋麻貴