宮脇賣扇庵は、雑誌CREAの夏小物特集で商品をお借りして以来、お付き合いのある京都の老舗扇子店。先日、銀座にある東京支店で2016年の干支である猿(申)の扇子と出会い、そのほのぼのとした愛らしさにひと目惚れ。ふと“インテリアに取り入れてみようかしら?”と思いつき、そのまま連れて帰ってきてしまいました。
いくつもある絵柄のなかから選んだのは、金色の大小の小石砂子を散らした扇面に、竹馬で遊ぶ猿が描かれた茶席扇。お店の方によると、扇子はすべて職人による手作りで、とりわけ京都では、扇骨作りから、金箔貼りや絵付けなどの扇面作り、さらに扇面に扇骨を付け、要を打って仕上げる作業までの各工程を、それぞれの道を極めた職人が分業して行っているのだとか。優れた職人たちの伝統的な技法を結集してひとつの扇子を完成させるなんて、なんとも贅沢な話ではないでしょうか。
また一見、まったく同じように見える猿たちも、よく見ると、顔が可愛い、スタイルがいいなど手描きならではの味わい深さがあります。そんななかから自分だけの一本を選ぶのですから、愛着もまたひとしおなのです。
右:干支柄の扇子は、お財布に優しいお値段も挑戦しやすくて◎。よりお手頃な版画タイプでも、充分優雅です。茶席扇 手前から・5寸白竹 1,500円、6寸白竹 1,800円(ともに税抜)
そもそも、扇子は平安時代に日本で生まれたアイテム。広く中国やヨーロッパで見られる扇子も、もとを辿れば日本から運び込まれたものだそうです。CREA世代の女性にとって、和小物をインテリアに取り入れるのは少々難易度が高いと思いますが、折しも季節はお正月。日本が誇るお道具で新年を迎えるのも素敵ですね。
【お問い合わせ先】
宮脇賣扇庵 東京支店
電話番号 03−5565−1528
URL http://www.baisenan.co.jp/
Column
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2016.01.03(日)
文=村上治子