正装したロコが集う第一日曜日の教会は圧巻!

 タヒチ・ヌイにはパペーテを起点に距離を示す道標があり、この島だけでも約120キロ。かなりの大きさではありますが、パペーテの街から少し車で走っただけで、のんびりとした南洋の田舎が広がっています。

ポール・ゴーギャン記念館。通常はコピー作品の展示だけれど、海外の美術館からオリジナルを借りて展示することもあるとか。

 タヒチ・ヌイの一周道路の周辺には観光名所が点在しています。タヒチの代名詞的アーティスト、画家ポール・ゴーギャンの足跡がたどれる「ポール・ゴーギャン記念館」、1767年に西洋人がはじめて上陸したビーナス岬(英語ではビーナスと呼ばれる金星の太陽面移動を、キャプテン・クックが確認したことから命名)、タヒチの風土・文化がわかる「タヒチ博物館」など。

ポール・ゴーギャンが通っていたとされる教会は、カソリックとプロテスタントの2つの説があるそう。そのひとつが1870年に建造された、サンゴ石を積み上げた聖ジョン・バプティスト教会。

 そうした看板を掲げたような観光スポットではなくても、一周道路周辺には記憶に刻まれる自分だけの名所がたくさん。タヒチの国花のティアレの花畑や隣のモーレア島を望む小さな桟橋、子供たちがサーフィンの練習をする漆黒の浜辺、海沿いのフレンチレストランなど、ふと足を止め、風景を前にするだけでも、タヒチが心に効いてきます。

月はじめの日曜日の教会の風景。帽子の飾りで出身の島がわかるそう。

 ちなみにタヒチでは毎月第一日曜日は、真っ白な正装で教会のミサへ行く日。この日は、女性は白いアイランドドレスに帽子、男性は白いスーツでビシッと決めます。教会全体が白一色に染まる風景は壮観です。

超エキスパート向きの波が到来する、タヒチ・イチのチョープー。(C)GIE TAHITI TOURISME

 一方、タヒチ・イチでは、野趣溢れる自然が炸裂。剣先のように荒々しく尖った山塊が背後にそびえるビーチでは、飛沫を立てて巨大な波がドドーン、ドドーンと打ち付けます。

 タヒチ・イチの南側の道路の終点にある、ハイパーなサーフスポット「チョープー」ではサーフィンの国際大会も開催。大会が近付くと世界中からサーファーが押し寄せ、選ばれし一握りの選手にはホテルが用意されるものの、中にはポイント近くの民家にホームステイする選手も。島の人も総出で勇気あるサーファーたちを応援し、大会を盛り上げます。

2015.05.30(土)
文・撮影=古関千恵子