美しい水辺の散策とシーフード三昧で大連を堪能

 「今の大連」を感じられるのが、星海広場。総面積は110万平米、アジア最大規模を誇るこの広場は、大連市100周年を記念して1997年に造られたもの。周辺には高層ビルや高級マンションが林立しているが、星海湾に面していて散策が気持ちいい。音楽が流れる巨大噴水あり、約20メートルの塔あり、999個の四川紅大理石を使ったモニュメントあり……と、いかにも中国らしいスケールの大きさも体験できる。

大連っ子にとっては、「天安門広場より広い」が自慢の星海広場。周辺には近代的な建物が並ぶ。
中国国内でも「住みたい街ナンバーワン」に選ばれるという大連。中山広場や人民広場なども定番の観光スポットだが、この街は水辺をぶらりと歩くのが楽しい。

 大連を旅するうえではずせないのは、新鮮なシーフード。市内にはたくさんの海鮮料理店があるが、観光客でも利用しやすいのが、海沿い一帯にレストランやバーが集うフィッシャーマンズワーフだ。

海辺にあるレストラン街、フィッシャーマンズワーフ。雰囲気はテーマパーク風で、ちょっとウキウキする。

 生簀から海鮮を選び、好みの調理法で食べるのが、ローカルでは定番。もちろん、メニューから選ぶこともできるので、言葉が分からなくても大丈夫。アワビやウニ、毛ガニにロブスターなど、高級食材もリーズナブルに揃う。

生簀から食べたいものを選んで調理法をリクエスト。新鮮な魚介類が安くておいしい。
蒸し料理からグリルまで調理法はいろいろ。水餃子もエビやカニ入り!

 大連っ子に人気の食べ物といえば、「糯米香」のお菓子。1930年代創業のこの店の名物は、甘さを控えた紅豆粥(小豆粥)や、油炸元宵(ナッツや小豆の餡入りの揚げ団子)など。イートインスペースがわずかにあるだけの小さな店は、いつも人でいっぱいだ。

長江路にある老舗スイーツ店。オーダーは指差しでOKなので、観光客でも利用しやすい。

 気になる大連までのアクセスは、成田、名古屋、大阪から直行便が飛び、成田からは、わずか約2時間50分と至近。気候よし、食よし、ノスタルジックな旅情に満ちた大連は、日本から一番近く、旅しやすい中国の街なのだ。

芹澤和美 (せりざわ かずみ)
アジアやオセアニア、中米を中心に、ネイティブの暮らしやカルチャー、ホテルなどを取材。ここ数年は、マカオからのレポートをラジオやテレビなどで発信中。漫画家の花津ハナヨ氏によるトラベルコミック『噂のマカオで女磨き!』(文藝春秋)では、花津氏とマカオを歩き、女性視点のマカオをコーディネイト。著書に『マカオノスタルジック紀行』(双葉社)。
オフィシャルサイト http://www.serizawa.cn/

2015.03.25(水)
文・撮影=芹澤和美