原油が美肌に効くって本当なの!?
アゼルバイジャンの情報を下調べしていたとき、原油風呂に浸かる健康法があるということを知った。あの、ドロッとした黒い原油に首まで浸かるという。その健康法があるのは、首都バクーから約320キロ西にある石油採掘現場近くの街。今回はバクーのみの訪問なので諦めかけていたところ、市内のフォーシーズンズ・ホテル・バクーで原油を使ったトリートメントがあるという。「フォーシーズンズのスパで、本当に真っ黒で臭いの強い原油を使うのかしら?」と疑問を感じつつも、さっそく訪ねてみた。
結果からいうと、原油そのものではなかった。「あれ? 黒い原油じゃないの?」と何度も聞く私たちに、「黒くはないのですが、精製したナフタランオイル(石油)です」と説明してくれるスパのセラピストさん。アゼルバイジャン西部にあるナフタランという町で採掘される石油を使っているという。原油から抽出した成分を使った無色無臭のオイルやパック剤を使う、たいへん品のいいトリートメントだった。実はそれらは、化粧品として製品化されているのだ。
右:手前がパック剤。中央は無色無臭のマッサージオイル。後方は原油を原材料とした化粧品だ。
真っ黒な原油のインパクトのある光景を想像していただけに、少しがっかりしたものの、フォーシーズンズらしい丁寧なマッサージに癒されたのだった。経験した人の話によると、ものすごく油臭いそうで、実際に入れるかどうか自信がなかったので、ほっとしたというのが実際のところ(笑)。
右:こちらは、トルコスタイルのハマム。
今回滞在したケンピンスキー・ホテル・バダマルのスパには本格的なトルコスタイルのハマムがあった。アゼルバイジャンの西隣アルメニアのそのまた隣はトルコ。食事もトルコ料理とよく似ていて美味しいし、文化が近いのも頷ける。現地2泊という駆け足の短い取材ではあったものの、様々な文化の影響を受けながら、発展している小さな国の勢いを感じた旅だった。
右:ラム、チキン、ビーフのケバブ。パンは、クレープのように薄く焼いたものが多かった。
Four Seasons Hotel Baku(フォーシーズンズ ホテル バクー)
所在地 1 Neftchilar Avenue AZ1095 Baku, Azerbaijan
電話番号 +994-12-404-2424
URL http://www.fourseasons.com/baku
Kempinski Hotel Badamdar, Baku(ケンピンスキー・ホテル・バダマル・バクー)
所在地 Mushfig Str. 1c 1006, Baku, Azerbaijan
電話番号 +994-12-538-9090
URL http://www.kempinski.com/en/baku
Column
トラベルライターの旅のデジカメ虫干しノート
大都会から秘境まで、世界中を旅してきた女性トラベルライターたちが、デジカメのメモリーの奥に眠らせたまま未公開だった小ネタをお蔵出し。地球は驚きと笑いに満ちている!
2014.11.18(火)
文・撮影=たかせ藍沙