“卒業”宣言のきっかけは…

――きっかけはあったんですか?

 娘2人がそれぞれ留学やら寮生活やらで家を出たことです。一度、夫と二人暮らしになった期間があったんですよ。今は2人とも戻って来て4人で生活しているのですが、彼女たちが帰ってくる時に「もう前みたいな家じゃないよ」と。「この家はもう全員が大人ですから、自分のことは自分でやってください。コップひとつシンクに残さないでね」と宣言しました。でも遅かったかなとは思います。両親が共働きだったのだから、娘たちのためにももっと早くにそうさせるべきだったかな、と。

 とはいえ、16年のお弁当作りは私の人生を彩ってくれました。私、お料理は嫌いじゃないけど、得意というわけでもないんですよ。娘たちが小学生になり、高校卒業までお弁当が必要だとわかった時、これだけは続けようと決めたんです。仕事で家を空けてしまうことも多いし、勉強を教えられるわけでもないので。真冬の早起きは本当に辛かったですし、ほぼ私の意地で続けたようなものですが、十分にやりきったと思えたし、このお弁当を通じて娘たちとコミュニケーションが取れたのではないかと思います。

――まさに飯島里子に通じるお話ですね。

 今この歳になってこの役を演じられたことは本当に貴重でしたし、改めて『さとこはいつも』はこのような気持ちも相まって、私にとって記念すべき作品になりました。観てくださる方、聴いてくださる方にも好きになっていただけることを願っています。

「(有村)架純ちゃんが刺されるシーンは難しかった」石田ひかりが“追体験”した7時間

石田ひかり

東京都出身。1991年、大林宣彦監督による映画『ふたり』で映画初出演にして初主演を務める。翌1992年には連続テレビ小説『ひらり』(NHK)でヒロインに抜擢され国民的な人気を得る。その他、近年のドラマ出演作として、「きょうの猫村さん」(20/TX)、「続・続・最後から二番目の恋」(25/CX)、主演を務めた「鬼女の棲む家」(26/CTV・NTV)など、映画ではAmazon Original『HOMESTAY(ホームステイ)』(22)、『ブルーピリオド』(24)、『リライト』(25)、第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品『ルノワール』(25)など多数。

映画『さとこはいつも』大ヒット上映中!

監督・脚本:沖田修一
出演:有村架純、石田ひかり、姫野花春、青木柚、細田佳央太、鳴海唯、中村優子、古舘寛治/吉田羊、オダギリジョー、筒井道隆ほか
音楽:柴田聡子/主題歌:折坂悠太“シミレ(feat. 柴田聡子)”
製作幹事:アミューズクリエイティブスタジオ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:オフィス・シロウズ
©2026「さとこはいつも」製作委員会

オーディオブック『さとこはいつも』

Audibleにて配信中
著者:沖田修一
ナレーター:石田ひかり
https://www.audible.co.jp/pd/B0HJRNMRDQ

さとこはいつも

2026年8月21日
定価 1980円(税込)
文藝春秋
» この書籍を購入する(Amazonへリンク)

最初から記事を読む 「(有村)架純ちゃんが刺されるシーンは難しかった」石田...