波佐見弁は日々のトレーニングのおかげでニュアンスを出せるように
――青子と似ているところや共感できる部分はありましたか?
「好きなものを見るとテンションが上がってしまうところ」はそっくりだなと思いました。器を見て「わあ、かわいい!」と喜んでいる姿はほぼ素の自分です。私自身、昆虫や爬虫類が得意なので、撮影現場でもカブトムシやセミを捕まえたり、ヘビを見て「うわあ!」と大喜びしたりしていて……。スタッフさんに驚かれることもありましたが、そういう無邪気な反応や喜ぶ姿は青子とすごく通じるところがありました。
――劇中での方言(波佐見弁)があまりにも自然で印象的でした。
ありがとうございます。実は、波佐見弁には苦戦しましたが、窯のメンバーは基本みんな波佐見弁を話していたので、空き時間もとにかくそれらしいイントネーションや教わった言葉を駆使して会話をしていました。英語の勉強のように耳と口を使ってなじませる感覚です。劇中の掛け合いもほぼアドリブだったので、日々の“波佐見弁トレーニング”のおかげで自然とニュアンスが出てくるようになりました。
――分業制で1つの器を作る波佐見焼のように、現場でもキャスト同士のチームワークが自然と生まれていったのでしょうか?
キャストのみなさんとは本当に仲が良くて、まるで合宿生活のようでした。ちょうど夏に、同じ絵付け班だった安藤玉恵さんと藤間爽子ちゃん、そして私の3人が誕生日を迎えたのですが、男性キャスト陣が空き時間に「くらわん館」へ行って、絵付けとろくろの先生がそれぞれ作った一輪挿しを買ってプレゼントしてくれたんです。「どれが当たるかはお楽しみ」ということで、みんなでバースデーソングを歌いながらプレゼントを回したのはすごく良い思い出です。撮影中、毎日誰かが新しい器を買ってきては支度場で見せ合っていて、本当にここで生活しているような心地よさがありました。
――波佐見町での長期ロケを通して、特に印象に残っていることは?
約1カ月半、長崎県の波佐見町に滞在させていただきましたが、土地の空気感が映像にそのまま映し出されています。どこを切り取ってもきれいで気持ちが良かったのですが、一番のお気に入りスポットは、青子たちが働く窯のモデルとなった建物の「渡り廊下」です。すごく気持ちいい風が抜けて、下には小川が流れていて、小魚やカニが見えたりして……。そこでぼーっと景色を眺めている時間がとても好きでした。
ひと夏を過ごす中で、緑の濃さが変わっていく季節の移ろいも感じることができました。東京では味わえない緑のざわめく音や水の音、近くの窯から聞こえてくる作業の音が、自分を青子としてあの場所に繋ぎ止めてくれたように思います。スタッフのみなさんや町の人と一緒に作品を作っていけたので、「誰かと何かを一緒になって作るってすごく楽しいな」と実感させていただけた作品になりました。
