継承と更新を繰り返し、時代に呼応する焼きものを生み出してきた九谷焼の窯元・錦山窯。開窯120周年という節目に、現当主の四代・吉田幸央氏のこれまでの軌跡と現在地、そして錦山窯の「その先の姿」を提示する企画展“「旦 ASHITA」- YOSHITA Yukio Exhibition -” が、2026年10月9日(金)から東京・六本木のAXIS ギャラリーで開催されます。
120年の金彩技術を現代へひらく
九谷焼は、17世紀に加賀藩の御用窯として発展した焼きもので、緑・黄・青・紫・赤の五彩を駆使した色絵や金彩をあしらった金襴手など、繊細で煌びやかな絵付を特徴としています。その芸術性の高さから、明治時代には「ジャパンクタニ」と称され、世界中で多大な人気を博しました。
錦山窯は、九谷焼の技法を受け継ぎ、1906(明治 39)年に、石川県小松市高堂町にて開窯された、九谷焼上絵付を専業とする窯元です。明治以降の九谷焼の主流となった画風「彩色金襴手」を得意とし、代々、金を巧みに用いた絵付を特徴としてきました。三代・吉田美統(みのり)氏は、金箔で文様を施し釉薬を重ねて焼き上げる「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」の技法を極め、人間国宝に認定されています。
そして現当主の四代・吉田幸央氏は、伝統の技法に深く根ざしながら、現代の美意識と異分野の知見を融合させ、金彩の次なる地平を切り拓いています。
今回の展覧会は、「変わり続けるために守り、変わらないでいるために変わる。」というステートメントを掲げ、錦山窯が120年にわたり培ってきた、継承と更新への意思を改めて発表するとともに、吉田幸央氏のこれまでと現在地を紐解き、さらに“伝統工芸の次なる姿”を見通す内容となっています。
