英国が誇るラグジュアリークルーズライン、キュナード。その最大の客船が「クイーン・メリー2」だ。
“洋上の宮殿”とも称される優雅なクルーズシップで、母港サウサンプトンから白夜のフィヨルドを旅する。
タイタニックが出航した海の玄関から北欧へ
ロンドン・ヒースロー空港から直通バスで約2時間。イングランド南岸のサウサンプトンは、英国が誇るラグジュアリークルーズライン、キュナードの母港だ。「クイーン・メリー2」でノルウェーを訪ねるクルーズは、この“海の玄関”からの船出で幕を開けた。
出航の前日はサウサンプトンに宿をとり、ゆっくり過ごすことに。中世の城壁が残る街へ散策に出ると、中心部にはキュナードを象徴する客船「クリーン・エリザベス2」にちなんだ約1マイルの遊歩ルート「QE2マイル」が続いている。
石畳と煉瓦造りの古い家屋が趣深い街の一角には、タイタニックの名を冠する古いパブが。サウサンプトンはあのタイタニック号の最初にして最後の出港地なのだ。
船員たちが乗船前に宿泊したホテルや映画のロケ地となったパブなどゆかりの場所がこの港町の歴史を物語り、クルーズの気分をますます高めてくれる。
快晴の朝を迎え、いよいよクルーズ・ターミナルへ。キュナード船の特徴である赤と黒のファンネル(煙突)を高く備えたクイーン・メリー2が近づいてくるこの時が、ある意味では最も気分の高揚する瞬間かもしれない。
ターミナルではブリタニア、ブリタニア・クラブ、プリンセス・グリル、クイーンズ・グリルと、客室のカテゴリーごとに乗船手続きが進み、スムーズに船内へと誘われる。そこに待っていたのは、ブロンズ製の巨大なレリーフが飾られた5層吹き抜けのグランド・ロビーと、1930年代からの伝統ある真っ赤な制服を身に着けたベルホップたち。
心からの喜びと誇りを持ってゲスト一人ひとりを出迎える彼らの笑顔が、これから始まる幸せな時間を約束してくれるようだ。
CREA Traveller 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。
