話を聞いてくださいと注意されて(笑)

――物語の核ともいえる、終盤の法廷シーン。原告役の上原恵(ファーストサマーウイカ)への贈りものと、朝日先生の胸を打つセリフに赤いボディコンスーツ姿が印象的でしたが、撮り終えていかがでしたか?

 それまでは、きっちりとした控えめな色のスーツを着ていた先生にとっても、最後の口頭弁論のための勝負服になったと思っています。私自身も真っ赤な服を着たことで、新しいパワーをもらえた気がしました。

 「自分の子どもや大切な人がこんな目にあったらどうしますか? 想像してみてください」と法廷内の人に問いかけるようにお話をするのですが、この裁判は決して恵(ファーストサマーウイカ)一人が戦っているのではなく、いろんな人の思いを背負って立っているのだということが伝わっていたらうれしいです。

 カメラに映っていないところでも、スタッフのみなさんが役に入りやすい空間を作ってくださり、とても一体感がありました。朝から晩まで数日間かけての撮影でしたが、いい緊張感が張りつめた中で、しっかりやりきれたと思います。

――ファーストサマーウイカさんや新人弁護士・藤野栞役の松本穂香さんら、共演者の方との現場での雰囲気はいかがでしたか?

 ウイカさんはとても元気な方で、現場のムードメーカーとして、ずっとお話をされていました。松本さんも関西のご出身だったので、おふたりが揃うとすごいテンポのいいトークが繰り広げられるんです。前田監督も関西の方で、3人が話しているのを聞いていると「何かに怒っているのかな?」って思ってしまって「なんか怖いんですけど……」と私が言ったら、「普段からこういう喋り方だよ」と言われてしまいました(笑)。

 私は松本さんから何度もツッコまれましたね。何をツッコまれたか忘れちゃったんですけど(笑)。空き時間には「あのテレビ見た!」とか、他愛もない話をずっと喋っていて、前田監督から「ちょっと話を聞いてください」と注意されたときも。

――今回、弁護士役を演じられたことで、初めて知ったことや印象に残っていることはありますか?

 まず思ったことは、判決が下るまでの期間がとても長いということです。この長期戦を乗り切る粘り強さが必要だということを感じました。その間、弁護士さん自身もそうですが、依頼者さんの心の揺れなどもしっかりケアしなければいけない大変さもありますし、本作で言えば女性支援団体のみなさんとの関係性を円滑に進めることや、駆け引きも重要になってきます。

 裁判を起こしたのは恵だけれど、支援団体の方から「この裁判は貴女⼀⼈のものじゃない」「私達は色んなモノを犠牲にして支援してきたのよ!」というセリフが出てきて、とてもリアルだなと感じました。現場には弁護士の先生がいらっしゃったのでいろいろお聞きしたのですが、印象的だったのが「裁判は心理戦というか、戦う中であえて“演じている”こともある」ということ。改めて凄いお仕事だなと思いました。

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