「ノースリーブはね、飼いならすの」の名言で一躍話題になった、大人気のパーソナルスタイリスト・安井百合子さん。初の著書『コンプレックスを飼いならして「好き」を着こなす センスのトリセツ』(安井百合子著/高橋書店)も「最幸な一冊」「単なるファッションの本ではない」と大いに話題に。

 インタビュー後篇では、自己肯定感が低くなる理由、年齢を重ねてからのファッションとの向き合い方について聞きました。

» 前篇を読む:「トドみたい」夫の一言が起業の原点に! SNS総フォロワー数22万人のプラスサイズスタイリスト・安井百合子が明かすコンプレックスの扱い方
» 『センスのトリセツ』より「自分を知ること」について


ファッションはあくまでも“ラッピング”。まずは自分を愛することから

――ファッション以外の悩みもたくさん寄せられていますが、なぜそうした相談にも答えようと思ったんですか?

 個別相談を重ねるうちに気づいたのは、まず自分を「美しくて尊い存在なんだ」と肯定できないと、おしゃれって積み上がっていかないということです。

 「私は鼻が低いからサングラスは似合わない」とか「頭が大きいから帽子なんて無理」とか、「自分はおしゃれなんてするに値しない」と思っている方が本当に多いんです。なぜそう思ってしまうのか。背景をひもといていくと、子育てや夫婦関係、仕事など、いろいろな悩みが絡み合っていることが少なくありません。「あれもできていない」「こんな自分はダメだ」と思う積み重ねが自己肯定感を下げてしまっている。だから、まずはそこから解決しなきゃいけないと思いました。

――ファッションだけでは解決できないんですね。

 ファッションは最後のラッピングです。だって、100円ショップで買ったグラスをわざわざ桐箱に入れたりしないですよね。これが、作家さんが作った唯一無二の一点ものだったら、桐箱に入れるでしょう。そこにプライスレスの価値を感じているからです。

 私たちも同じです。自分を、どこにでもある量産品だと思うのか、唯一無二の作家物だと思うのか、マインド次第で変わります。私は自分の仕事を通して、お客様自身が気づかないうちに培ってきた価値観や魅力に気づいて、「私って、そこそこいい人生を送ってるじゃん」って思えるようになってほしいんです。毎日が楽しくならないと、「おしゃれをしたい」という気持ちも生まれませんから。

――そんなにも、自己肯定感が低い人が多いのでしょうか。

 今のお母さん世代って、コンプレックスに洗脳されているというか、自分を愛せていない人がすごく多いと感じます。フォロワーさんの中にも、「子どもがいじめられないように、私は無難な格好をしています」とおっしゃる方がいるんです。

 でも、その言葉って実は闇が深いんです。裏を返せば、本人も「好きな格好をしているお母さんは良くない」という価値観を持っているということだから。そんな価値観の中で育った子どもは、「社会に受け入れられるには無難でいなければいけない」と思ってしまうのではないでしょうか。

――いまのお話を聞いて、私立の学校では保護者はネイビーのスーツ着用、というような暗黙のルールを思い出しました。

 そう、実は私の目標の一つは、その"ネイビー縛り"を打破することなんです(笑)。

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