なりたい体をつくる――。現代人にとって“ボディメイク”は、健康的な生活を営む上で誰にとっても大きな関心ごとだ。ダンサー、振付師として活躍するNOSUKEさんが、ananで“ダンスでエクササイズ”、その名も「ダンエク」の連載を開始したのが約1年前。そのMOOK本『NOSUKE -Team"S"pecial- PRESENTS ダンエク』(以下「ダンエク MOOK」)が5月8日に刊行され、NOSUKEさんオススメのプレイリストに合わせて、楽しみながらエクササイズができると話題を呼んでいる。NOSUKEさんに話を伺った。
“何か一つでも目的を達成できたら、人は変われる”
NOSUKEさんといえば、Netflixの「timelesz project -AUDITION-」にダンストレーナーとして参加し、全課題曲を振り付けたことで注目を集めたが、それ以前にも、2017年よりDISH//のライブ演出を手がけ、Sexy Zone(※のちのtimelesz)の10周年記念作で、全編英語詞の「RIGHT NEXT TO YOU」の振付を担当(21年)、22年には、8人組ボーイズグループOCTPATHのパフォーマンス・ディレクターに就任するなど、振付師としての活動にとどまらず、グループの“転機”または“始まり”を、ダンスを通して一緒に創造している印象がある。
「絞る! 整う! 踊れる体になる! 新しくて楽しい“ダンスでエクササイズ”」とは、「ダンエク」のキャッチコピー。確かに、ダンスほど“楽しさ”や“達成感”といった“心の効能”をもたらし、しかも手軽に始められる運動は滅多にない。
NOSUKEさんが、“ダンスによって日常をよりよくできる”というメッセージを発信するに至ったのは、特にコロナ禍以降のアーティストとの関わりの中で、“何か一つでも目的を達成できたら、人は変われる”という発見があったからだ。NOSUKEさんが、「あれは自分たちの分岐点になった楽曲でした」と話すのが、Mrs. GREEN APPLEの「ダンスホール」。2020年7月に「フェーズ1」の活動を終了したMrs. GREEN APPLEは、2022年3月に活動を再開するまでの活動休止期間に、NOSUKEさんたちTeam"S"pecialからダンスレッスンを受けていた。
「活動休止期間中のことは、ボーカルの大森(元貴)さんが『やりたいことは頭の中にあるのに、フィジカル的に僕らが全然表現できないと思った』と話されています。つまりその間に、『メンバー全員がパフォーマンス力をあげていく』という目的があったようです。
レッスンはすごくきつかったはずです。でも、誰一人として弱音を吐かず、本職と違うことに戸惑いすらも見せず『自分たちには今これが必要なんだ。だから、自信を持ってお客様に見せることができるようになるまで頑張る』という覚悟のもと、真摯に向き合ってくれました。なので、僕らも遠慮なく、本気でぶつかっていくことができました。プロのアーティストの本気度に痺れたと同時に、ものすごい刺激もいただきました」(NOSUKEさん・以下同)
楽曲のハッピー感を増幅させるダンスの効能
約2年間の活動休止期間を経て、「フェーズ2」の活動における2曲目の楽曲「ダンスホール」が配信された。朝の情報番組のテーマソングとして書き下ろされたその曲は、番組内のコーナーでダンスレクチャーが開催されるなど、一緒に盛り上がれるサビのダンスも話題となった。
「最初にこの楽曲を聴いたときは、サビの『大丈夫』という力強いメッセージが胸に響いて、『聴くだけでハッピーになれるこの曲のパワーに負けないような振付にしなければ』と身が引き締まる思いがしました。
そこで考えたのが、『大丈夫』というメッセージを視覚的に表現した、サムズアップのハンドサイン。僕の中で、『サビの部分では、このハンドサインを1回もやめないぞ』っていう縛りをつくって。ちょうど、コロナによる行動制限が解除されはじめたぐらいのタイミングだったので、『フェーズ2』に入って、アーティストとしてパワーアップしたミセスさんに、『大丈夫!』って言ってもらえることで、リスナーの人たちも安心できたと思うんです。
この曲と出会ったお陰で、改めて振付の大切さだったり、ファンの皆さんとの一体感を生み出すという“効能”に気づけた気がします」
NOSUKEさんが振付を考える際、大切にしていることが二つあるという。一つは、一緒に振付をするチーム(Team"S"pecial)のメンバーとの対話。もう一つが、そのアーティストやアイドルを徹底的に研究し、グループ自体の雰囲気を把握することだ。
「振付は、初めに楽曲ありきなので、その楽曲の雰囲気というか、そこから浮かぶ色や情景を、最初にチームで話し合います。時間はかかってしまうけれど、みんなで一つの物事に向き合っている瞬間や形にできた時の喜びは格別です。あとは、そのグループのことを深く調べます。
僕は結構研究型で、振付を考えるときに、ファンの皆さんがどうやってこのグループを愛しているのかを知りたくなっちゃうんですよ。どういう愛され方をしているかを知ることは、振付をする上ですごく重要だと思っていて。そのグループにあるニーズや、グループの持つ良さみたいなところを徹底的に調べます。ヒストリーとか、それまでの振付作品のYouTubeのコメント欄とか、Xの反応なんかを細かくチェックして。
そうしていると僕自身もそのグループのこと好きになっちゃうので、ファンの皆さんと同じ目線で、『ここでこのケミが見たいな』とか、見たい画(え)をつくっている感じもあって……。すみません、若干職権濫用してます(笑)」
