「な、何やってるの、君たち……」
「すみませーん。管理人ですけどもー。ちょっと上がらせていただきますねぇー」
そっと開かれる扉の音。
しかし、管理人さんが急に足を止めました。
「な、何やってるの、君たち……」
管理人さんの脇から部屋を覗き込むと、I先輩を含むサークルメンバーたちが手を繋いでぐるりと円を描いたまま、誰1人動くことなく無言で突っ立っている姿が目に飛び込んできました。
その円の中から、あの女は忽然と姿を消していました。
Dさんが部屋の明かりを点け、管理人さんが幾人かの肩をゆすり始めてからようやく、皆ポツポツと意識を取り戻し始めたそうです。
あの正体不明の女のことを問いただしても、皆ぼーっとしたまま夢を見ているように返すばかり。結局I先輩の「すみませんでした……今日はこれでお開きにしますので」という一言でその場は解散となり、皆バラバラとそれぞれの寝室に引き上げていきました。
1人取り残され呆然としていたDさんは、心配する管理人さんの言葉に甘えて管理棟の空きベッドを借りることにし、そのまま朝まで泥のように眠ってしまったそうです。
