美容にお金なんてかからない

 「キレイにはお金がかかる」は大昔からの法則。「化粧品は高いものほど効く」も、もちろん一つの真理だが、一方で「美容にお金はかからない」も年々現実となりつつある。

 以前100万円した60インチのTVが今1桁万円で買えるように、多くのものは進化すれば安くなる。化粧品も同じ。今最も先進的と言えるエリクシールは美白もエイジングケアも肌色&肌質補正もする革新的UV下地を3,000円台で展開。花王キュレルも然りで、最も難しい肌荒れを改善するバリア作りを数千円台でやってのける。

 さらに抗老化研究もどんどん進んで徳島の阿波晩茶にNMN級のアンチエイジング効果があることもわかってきた。お金をかけない若返りができる時代は既に始まっているのだ。

ところで、人間が歳を取らなくなる時、次なる外見格差社会が始まったりはしないのか?

 外見至上主義が格差を生むことからルッキズム批判が始まったわけだが、今後また新たな格差が生まれる? それも抗老化医療が意外に早く本格化しそうで、最初は当然のことながら高価な治療をできるのは金持ちだけ。

 つまり金持ちだけが若く、金を持たない人はみるみる歳をとる“見た目で経済力がわかる”恐ろしい格差が生まれないかという懸念。

 そんな中、日本の抗老化研究の第一人者、大阪大学の吉森保教授はそうならないよう、抗老化薬は一般にも広く使える価格で出すことが重要と語る。

 イーロン・マスクも世界平和は全員がAIを使えてこそ、と訴えているわけでそういう格差を嫌うキーマンが不老長寿を叶えてくれること、期待したい。

齋藤 薫(さいとう・かおる)

女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。

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