
10月4日(土)24:40より配信開始されるLeminoオリジナルドラマ『今日もふたり、スキップで』で、白洲迅さんとともに夫婦役でW主演を務める松村沙友理さん。最近では、俳優としてだけでなく、バラエティ番組での大食いやバイト挑戦企画での有能すぎる姿が注目を集めるなど、その場に応じた柔軟な対応力が話題になっている。
そんな彼女でも、乃木坂46のアイドル時代は“求められるままの自分”を演じていた時期もあったそう。そこからどのような経験を経て“現在の自分”を確立したのか、心境の変化などを伺った。
周りに流されず、“自分の感覚”を信じるように

――バラエティ番組からニュースまで、幅広いメディアに出演されていますが、そうした現場ごとの“切り替え”は、どのように意識されているのでしょうか?
私は“話すことが仕事”だと思っているタイプなんですけど、普段はそこまでしゃべるほうじゃないんです。テンションも高いほうではないので……。でも、現場に入るときに急にスイッチを入れるのは難しいので、朝のメイクの時間を使って声を出すようにしています。
――メイクのときに? どんな感じで声を出されているのでしょうか?
別に「イェーイ!」みたいに盛り上げるわけじゃなくて(笑)、本当に寝起きのテンションのままで、軽くしゃべる感じです。内容は何でもよくて、しょうもない話でもいいから、とにかく声を出すことを大事にしています。
発声練習も兼ねていて、高い声が出るように準備運動するようなイメージでしょうか。そうやって、自然とテンションを上げたり、喉のコンディションを整えたりしています。
─―その“自然体だけど準備している”感じが、どんな番組でも対応できる柔軟さにつながっているのかもしれませんね。
いや、でも、本当にいつも考えていますよ(笑)。「どうしようかな」って。やっぱり現場で求められるのが、自分の個性だったりするので……。以前は、それこそ求められたことを全部引き受けていた時期もありました。でもそれって、ちょっと違うのかもなって、あるとき思ったんです。
――それは、何かきっかけがあったのでしょうか?
ありましたね。まわりの人からのアドバイスは正しいことだと最初は思うんです。だけど、実際にその通りやってみて、うまくいかなかったこともあって。100%全部がそうではないんですけど、「あ、やっぱり自分の感覚のほうがよかったのでは?」と思った経験が何回かあったんです。
だから、「みんながそう言うからそうする」といったサービス精神みたいなものは、少し抑えるようになりました。
2025.09.30(火)
文=大嶋律子(Giraffe)
写真=杉山秀樹
スタイリスト=櫻井かおり
ヘアメイク=吉田真佐美