現在27歳、始球式でみせた“天然ぶり”も話題に
1998年生まれの27歳。俳優としては遅咲きの部類に入るだろう。これまで、大河ドラマ『どうする家康』(2023年)での本多忠勝の活発な娘・稲役や、二階堂ふみ主演『Eye Love You』(2024年)の韓国語堪能な同僚役、『あのクズを殴ってやりたいんだ』(2024年)での主人公・奈緒の妹で元ヤンキーのシングルマザー役などを演じて着実にキャリアを重ねてきた。
デビュー間もない頃から出演しているレバテックのCMや、香取慎吾らと共演したサントリージムビームのCMなどで顔を覚えたという人も多いかもしれない。プロ野球の始球式でボールを忘れてマウンドに立ったという天然エピソードも話題になった。

夢を言えなかった10代の頃
俳優になろうと思ったのは11歳の頃。映画館で『のだめカンタービレ』を観て、その面白さの虜になった。人前に立って楽しんでもらうのが好きで、小学校では演劇クラブに入っていたが進学した中学には演劇部がなく、教師に「演劇部を作らせてもらってもいいですか?」と尋ねたものの「無理だよ」と却下されたのでバレーボール部に入ったという(マイナビニュース 2019年8月6日)。
高校ではバンドでボーカルを務めるなど学生生活を謳歌していたが、内心はずっと複雑なものを抱えていた。「俳優になりたい」という夢を語っても誰も本気にしてくれなかったからだ。劇団に入っている子もまわりにいなかった。自分の本当の気持ちを言うことができないまま、大学受験のシーズンを迎えることになる。

「『お芝居をやりたい』って言うことが恥ずかしかったんだと思います。東京の大学を志望した理由も、『テレビ番組の制作に興味があるんです』とごまかして。自分の中では『芸能界に関わる仕事だから嘘はついていない』って思いながら進路指導を受けていました」(週プレNEWS 2022年9月30日)
2025.08.01(金)
文=大山くまお