災厄に際し私たち僧侶ができることは一心にお経を唱えること

――最後になりますが、今回たつき先生との対談を経て三木住職から伺った考え方は、仮に災厄が来なかったとしても今後の世の中で大切になってくる教えに思えました。
三木住職 たつき先生が対談の中で「私も三木住職と似た考え方をしているんですよ」とおっしゃったことがありました。「具体的にどれですか」と伺ったところ「いろいろですよ」と煙に巻かれてしまいましたが(笑)。
でも、私が一番大切にしたいと思っていることは“人々をいかにして助けたらよいか”ということです。たつき先生のご著書を読み、言葉を交わすと、こうした想いに共感してくださったのかなと思えますね。
かつて聖徳太子が定めた日本最初の法典『十七条憲法』の第一条には「和を以て貴しと為す」という言葉があります。人と人が互いに手を取り合うような関係でいなさいというこの言葉からは、日本という国が「和」を軸に成り立ってきたことが見えてきます。
災厄に際し私たち僧侶ができることは一心にお経を唱えることと、困難を恐れるだけではなく、起きた後にどう乗り越えるのかということに、少しでも皆様が心を傾けてくださるようお経を通して発信することだと思っています。また今回のお話で少しでも関心を持っていただけたのなら幸いです。

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2025.06.21(土)
文=黒影苑生
写真=志水隆