まずは小さなものからはじめてみる

「家具などサイズが大きなものは存在感を発揮してしまうので、そのプロダクトに合った空間を整える必要があると思うのです。なので最初から大きなものを選ぶよりも、空間に馴染みやすい、面積の小さなものから買うことをおすすめします」

 ジウンさんがお香立てとして使っている白磁祭器(ペクジャジェギ)や、木祭器(モクジェギ)は、アクセサリー置きとして購入する人も多いのだそう。

「プロダクトをサラッと置くだけでも素敵じゃないですか? 色のトーンを合わせたり、ビンテージ感ある木製テーブルと合わせても、今っぽいシックなブラックテーブルと合わせても馴染みやすいですよ。

 小サイズのスッカラをティースプーンとして使う方も多いんです。実際に使っていただくのがもちろん一番良いですが、オブジェのように使っても可愛らしいと思います」

 古道具を管理する時、木製のものは極力水分を使用しないことが大切。木製家具や小物を管理する専用オイルを使うこと。逆に陶器にはあまり油は使わないように注意を。

 古家具に現代の韓国作家の作品を合わせたり、ヨーロッパのインテリアと李朝の家具や道具を合わせたり、時代も国も問わず様々なテイストをごちゃ混ぜにしても、しっくり馴染んでいるのは、きっとそこにジウンさんの「好き」の核があるから。

 また、韓国の“ビビンバ文化”が発揮されているようにも思えます。

「新しい古道具や家具に出会った時、すごく綺麗! あそこに置けばいいかな? あれと合うかな? と瞬時に考えて、マッチすると思えば購入します。昔は買ったものの使いこなせず失敗も多かったんですよ。あれ? 意外と似合わないな? と。

 でもその分、置く位置を何度も試行錯誤して、空間を整えて、しっくりくる場所を探しました。しっくりくるまで何度もチャレンジするんです(笑)。自然と練習になったんだと思います」

 たくさんの古美術を見て実際に購入し、試行錯誤し、失敗を糧にしながら日常になじむインテリアとして昇華させてきたジウンさん。

 今では古家具を見れば、修理が必要な箇所や手入れの仕方までわかるという。

「最初の頃は購入後に修理が必要だと気づいたり、わからないことが多かったりもしましたが、古美術市場に通いながら学んだことが多いです。購入する際、修理が必要な点や手入れ方法など丁寧に教えてくれる店主さんのお店は信頼できるのではないでしょうか。

 また、文化財やかなり古いものなどは韓国出国の際に申請が必要なこともあるので、気を付けてください」

 家の内装をいきなり変えることは難しいが、カーペットやカーテンの布地、色味など、インテリアの一部で素材やトーンを合わせてみても、古道具となじみやすいそう。

 美しいプロダクトや自分が心から好きなものが家にあるだけで、それがほんの小さなピースでも、毎日の暮らしに温かさや輝きをくれるもの。

 まずはGOBOKIIで、韓国古美術の世界を覗いてみませんか?

GOBOKII/고복희(コボキ)

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2025.06.18(水)
文・撮影=東山サリー
古美術監修=ぺ・ヨンヒ