今年の主役は若き王者、カルロス・アルカラス。女子の実力者たちも見逃せない

 そしていま、それらのレジェンドに続く新たな歴史を築こうとしているのが、2022年にロレックス テスティモニーとなったカルロス・アルカラスだ。わずか19歳で世界ランキング1位となり、先日の全仏オープン決勝では、同じくロレックス テスティモニーであるヤニック・シナーとのテニス史に残る激戦を制して2連覇を達成。型破りの天才と称される22歳は、ウィンブルドン3連覇を目指してロンドンへと乗り込む。

 「ウィンブルドンは特別な大会だ。ゲートをくぐった瞬間、まるで伝説の選手の足跡をたどり、時を遡ったような気持ちになるんだ。伝統と気品が、この大会を唯一無二のものにしている」。そう、アルカラスは語っている。

 ウィンブルドンに始まり、全豪オープンと全仏オープン、全米オープンの、グランドスラム大会すべてのオフィシャルタイムキーパーを務め、近年ではATPやWTAだけでなく、レーバーカップやデビスカップといったチーム戦もサポートするロレックス。

 先に挙げた選手たちの他にも、多くのトッププレーヤーをロレックス テスティモニーとして迎えてきた。今年の全仏オープンの女子シングルスで初優勝を手にしたココ・ガウフに、2024年に出産を経てコートにカムバックしたベリンダ・ベンチッチ、パワフルなテニスと親しみやすい人柄で会場を沸かせるベン・シェルトン……。常に高みを目指し続ける選手たちは、芝の上でも最高のパフォーマンスを見せてくれることだろう。

芝の上ではさまざまなドラマが。限界を乗り越え、自らに打ち勝つ姿を見守りたい

 芝のコートは、ボールが滑るようにバウンドして球足が速くなり、時としてイレギュラーも起こり得るのが特徴だ。パワーだけでなく高い技術力と緻密な戦略、瞬時の対応力が求められるが、それゆえに、多くの選手にチャンスをもたらすサーフェスでもある。

 選手たちはコーチやトレーナー、家族など周囲のサポートを受けながら綿密な準備を重ねて、最後はただひとり、コートへと向かう。そうして、多くの伝説的プレーヤーがそうであったように、どんな逆境にあっても自分を信じ、最後の一球までラケットを振り抜いて戦う。

 伝統と永続的に卓越性を追い求めるロレックスのビジョンとそのまま重なり合うその姿は、観客の胸を熱く満たし、テニスを、スポーツを観る喜びを与えてくれる。

 今年の芝の戦いが、間もなく始まる。新王者が挑戦者を退けるのか、あるいは好機をとらえたダークホースが一気に駆け上がるのか。スコアボードの上部に輝く王冠のマークとともに、トロフィーの行方を見届けたい。

ロレックスとテニスについて

https://www.rolex.com/ja/rolex-and-sports/tennis/wimbledon

2025.06.24(火)
文=新田草子