この記事の連載
浅野順子×近田春夫 お悩み相談【前篇】
浅野順子×近田春夫 お悩み相談【後篇】
【相談】55歳、バツイチ、膣萎縮症。新しい彼とのセックスが怖い
20年以上前に一緒に仕事をした男性と駅でばったり会い、食事をしたり、映画を観たりする関係に発展しました。お互い、バツイチの独身です。8年前に離婚する以前から長らくセックスレスで、現在の私は老人性の膣萎縮症と診断されています。しかも、かつて前夫からヘルペスをうつされていて、免疫力が落ちている時は、今も性器周辺がちくちく痛みます。こんな状態で新しい彼とセックスができるのか、悩んでいます。(55歳・女性)
「勇気を持って話し合うことこそ大事な一歩」(近田春夫さん)

浅野 年を重ねると膣萎縮症の女性って少なくないみたいよね。私の身近にも、30歳ぐらいからずーっとセックスしてないっていう60代初頭の知人がいて、子宮がんの検査に行ったんだけど、病院の先生の指が入らなかったっていうのよ。
近田 そうなんだ。ヘルペスも大変だよね。一度感染しちゃうと、ウイルスが一生体内に潜伏し続けて、決して完治することはないらしいからさ。
浅野 50代になってからの恋愛とはいえ、男女の間だから、やっぱりセックスは避けては通れない。
近田 精神的な関係と肉体的な関係は別だから、難しいよね。
浅野 ひとりで悩みを抱え込んじゃうよりは、身体のことは、腹を割って打ち明けた方がいい。それに対して、どんな風に反応してくれるかで、相手がどういう人なのか、理解が深まるじゃない。
近田 そういう話ができるっていう環境自体が、その人との間に信頼が構築できてるってことを意味するもんね。話してみよう。まず、勇気を持ってその一歩を踏み出すことだよ。
2025.06.08(日)
文=下井草 秀
写真=平松市聖
CREA 2025年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。