17歳の息子と14歳の娘の変化
――その後お子さまは変わりましたか?
渡辺 もう私に話をされている時点で「しまった……!」という顔はしていました(笑)。まだ小さかったので、夜母親がいなくなる日があるというのが、本当に寂しかっただけなのだと思いますが、その後は、それまで以上に気がついたことや私の不満を細かく伝えるようになりました。
――ご夫婦間でもお子さまとの間でも、対話を大事にされているのですね。
渡辺 家族のなかで母親だけに負担が多い姿を見せなくないと思ってきたので、うるさいくらい「あれやって」「これやって」と家族に家事を割り振りながら、話をするようにしています。
今は息子が17歳、娘が14歳になって、私が仕事で疲れてウトウトしてしまった時に、何も言わなくても自主的に片付けをしてくれたり、学校で「女子なんだから」と言われたことに対して「それっておかしいよね」と話したりするようになりました。大半は「やらないとママうるさいから」という理由で、各自ができる家事をやれる時にやる、というくらいですけど、それでも言い続けることって大事なんだなと感じています。

――素敵ですね。いくら話しても努力しても、夫も子どもたちも家事を協力してくれないという方も多いと思います。アドバイスをお願いできますか?
渡辺 そういう方にこそ、この本を読んでいただきたいです。男性も女性も今は外で仕事をしている方が多いのに、家の中が円滑に回るために女性が果たす役割は今でもすごく多いと思います。でもだからこそ、我慢しないで家族にできることを分担してもらうって大事なんじゃないかと思います。
そして小さな違和感を見逃さずに、きちんと話し合う。それが、自分にとっても家族にとっても、不機嫌の種をなくす一番の方法だと思います。

不機嫌ばかりな私たち
定価 1,870円(税込)
講談社
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2025.05.30(金)
ヘアメイク、スタイリング=三上津香沙
文=相澤洋美
写真=今井知佑