“オンリーワンまくら”づくりがいよいよスタート!

 カウンセリングを終えたら、パーソナルフィッティングで自分にぴったりのまくらを仕立てていきます。

 最初のステップは、素材選び。9種類の素材の見本に実際に触れ、肌ざわりや感触が好みのものを選びます。顔に触れたときに心地よく感じられ、リラックスできる素材を選ぶのがポイントです。

 次に、後頭部と首の形を正確に把握するためのクイック計測を行います。プレスシェイパーと呼ばれる専用の測定器を頭部に軽く押し当て、後頭部のカーブや高さ、首とのバランスを測定。これがまくらの高さを決める際の目安となります。

 測定の結果、私の場合は全体的に高低差が少なく、後頭部から首にかけてのカーブもなだらかな形状であることがわかりました。

 測定を終えたら、選んだ素材のサンプルを使ったフィッティングへ。店内のベッドで仰向けや横向きの姿勢をとりながら、厚さ約1cmのシートを抜き差ししてまくらの高さを調整し、頭・首・肩に違和感がないか寝心地をチェックしていきます。

 素材は気になるものが3つあったので、ここですべて試してみることに。1つ目は、自宅のまくらに感触が近かった「整圧」。ほどよい硬さで頭が沈みにくく、しっかりとした安定感があります。

 2つ目は、広尾店の一番の売れ筋商品「エンジェルフロート」。大谷選手が愛用しているのもこちらで、ふんわりしっとりとした感触のウレタン素材です。

 そして、3つ目は最新種類の「newmine(ニューミン)」。ぷるふわの感触が心地よく、両サイドにくぼみがあるのが特徴。寝返りを打ったときに頬が当たる部分を凹ませることで肌への刺激をやわらげるという、美容に配慮した工夫が施されています。悩んだ末に私が選んだのは、この「newmine」でした。

 素材が決まったら、高さを調整します。まくらは最大14ヶ所で高さ調整ができ、ブロックごとにシートを抜き差ししながら、頭や首のラインに合うよう微調整していきます。

 まくらの正しい位置は、肩が乗らず、軽く触れる程度。その状態で顔が真上を向き、あごが軽く引かれ、背骨と頭が自然な一直線になる高さが適切とされています。

 頭や首の形は一人ひとり違うものです。だからこそ、それに合わせて細かく調整できるのはオーダーまくらならではのメリット。自分に合ったまくらを使うことで呼吸がしやすくなり、首まわりの負担が軽減。さらに、首にシワができにくくなるといった美容面でのメリットも期待できるそうです。

2025.05.29(木)
文=佐藤由樹
写真=深野未季