
「M-1グランプリ2008」の優勝者であり、以降もテレビ、ライブ、動画配信などで精力的に活躍中の著者。近年は吉本興業のタレント養成所で講師を務めるなど、後進の育成にも取り組んでいる。そんな著者の漫才論、お笑い論をまとめた新書が好調だ。
漫才か、漫才じゃないか。漫才とコントの線引きはどこにあるのか。近年お笑い好きのあいだでしばしば議論になるテーマについて、ロジカルな考察を展開する。
自身のコンビであるNON STYLEはもちろん、サンドウィッチマンや真空ジェシカ、令和ロマンといった人気コンビの芸を取り上げ、ネタや賞レースでの振る舞いを具体的に分析しているので、わかりやすく、そして何よりおもしろい。間口は広く、それでいて根底にお笑い文化と芸人たちへのリスペクトを感じさせる点で、マニアも納得の内容になっている。
「現役のプレイヤーに書いていただくこと、そして、書き手の人間性、お笑いの専門用語で言う『人(ニン)』がわかる本にすることを意識して編集しました。特に著者がコンビ解散の危機を乗り越えたときのエピソードは、こだわって盛り込んでいただいたところです。そうした部分や、意見を言うことの大切さを語ったところなどが、広い意味での仕事論として読者に受けている感触もあります」(担当編集者の小野寺啓さん)


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2025.03.26(水)
文=前田 久