この記事の連載

 江戸時代から栄養をつける飲み物として親しまれてきたのが、麹でつくる甘酒。甘酒にはブドウ糖や必須アミノ酸、ビタミン、食物繊維などが含まれ、疲労回復や腸活、美肌につながる新陳代謝の活性化などに役立ちます。麹文化研究家のなかじさんに、麹とそれを使った甘酒のつくり方を伺いました。

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ポケットで肌身離さず持ち歩くだけで作れる麹のつくり方

 麹は、ほぼすべての発酵調味料の土台。世界で唯一「国菌」として認定された麹菌を蒸したお米にふりかけ、発酵させることで麹菌が破精(はぜ)て、米麹と変化していく。

―― 麹は自宅ではどのようにつくるのでしょうか。

「麹づくりで大切なのは、環境づくりです。電気毛布などを使って、温度管理さえ上手にやれば、誰でも麹をつくることができるので、ぜひトライしてみてください。自分で育てた麹を使って、甘酒や味噌をつくると、また格別の味ですよ!」

ポケットで温める米麹のつくり方

材料

白米 80g
種麹 0.1g

作り方

(1)米は洗って24時間浸水し、ざるにあげて10分ほど水を切り、中火で40分ほど蒸す。

(2)ボウルに1を入れて広げ、粗熱がとれたら(40℃以下になったら)種麹をふって混ぜる。

(3)ポリ袋に2を入れ、空気を抜きながら袋の口を縛る。袋全体に1cm間隔で針を刺し、空気が通るよう穴を開ける。

(4)ポケットに入れて24時間体温で保温する。夜は布団に中に入れて、温度が下がらないようにし、24時間たったら1日4回ほど揉んで混ぜる。ポケットに入れてから50〜60時間後には完成。

2025.02.19(水)
文=吉川愛歩 
写真=末永裕樹(インタビュー)、寺澤太郎