安心して贈れる老舗の味
――CREA冬号「贈りものバイブル」では、普段お使いの手みやげをご紹介いただきました。
高山 「空也」の最中、「近江屋洋菓子店」のフルーツポンチ、「さかぐち」の京にしきですね。
――どれも老舗の銘品ですね。
高山 「空也」は予約しないと買えませんが、反対に予約さえすれば手に入れられます。しかも、お値段もリーズナブル。皮の香ばしさと風味は格別です。銀座の真ん中でピックアップできるのも便利です。日持ちはしますが、硬くなったらお汁粉にして違う楽しみ方もできます。
――「近江屋洋菓子店」のフルーツポンチ、女子ウケしそうです。
高山 「近江洋菓子店」のある神田界隈は私の育ったエリアで、小さい頃から親しんだ味です。そんな安心感もギフトには大切。近くに神田青果市場があったので、目利きのご主人がひと味違う上品な味わいに仕立てています。ケーキやフルーツポンチなど、果物を余すことなく使っているので、そのSDGsな想いも喜ばれるでしょう。
シャンパーニュと共にパーティーの手みやげにすることもあります。
――「さかぐち」の海苔のおせんべい、ずらっと並んだ姿が壮観で、あっと驚く贈りものになりそうです。
高山 海苔をこれだけ楽しめるおかきは他にはありません。個包装になっていないので、手を伸ばせば食べられるのがいいんです。
地球温暖化の影響で海苔までだんだん希少になってきています。ここの丁寧な仕事を通して感じる海苔の香りが、地球を大切にする気持ちが伝わるといいですね。
――全てにストーリーがあるのですね。どれもパッケージがシンプルです。
高山 ゴージャスなパッケージより、主張しないシンプルなものが好みです。ファッションブランドの紙袋にはブランドのステイタスを表現されていますが、おいしい手みやげにはそれは必要ないと考えています。うちの紙袋のデザイン、シンプルでしょう? かけるべきリソースは中身に、パッケージはお化粧ですね。私は素顔でおいしいものがいいと考えています。
――CREA冬号「贈りものバイブル」に掲載された手みやげで、「楢崎商店」の青唐辛子明太子が異彩を放っています。
高山 博多の方から教えてもらいました。青唐辛子入りで、キレのいい味が好みです。1,000円前後の小箱があり、先日の忘年会には人数分を持っていき、おひとりずつにお渡ししました。
小さいので相手に負担を感じさせない気軽な手みやげとして活躍してくれます。「九州出張に行って見つけました」みたいな一言を添えられるのもいいですね。今やホテルの朝食にも採用しています。
2024.12.20(金)
文=北村美香
写真=志水隆(人物)、平松市聖(食べ物)