雅子さまの祖母、江頭寿々子さんの言葉
愛子さまの“精神的な癒し”の一つになっていると思われるのが、ユーモアのある生活だ。それは、両陛下がご一家の会話の中にユーモアを交えることで、家族に笑顔が生まれることを意識なさっているからだといわれる。
陛下は皇太子時代の幼い頃からナゾナゾがお得意だった。当時の職員は、「殿下は本に載っているナゾナゾを覚えておられて、出すのも答えられるのもお得意でした。次第にご自分でもナゾナゾをお考えになるようになって、東宮職にも出されることがありました。その場に笑いが満ち溢れて、とても和やかな雰囲気でした」と語っていた。
昨年6月、陛下がインドネシアを訪問された際にも、ユーモアを発揮された場面があった。日本語を学び、日本に留学経験もある私立ダルマ・プルサダ大学の学生たちと交流されたときに、日本のアニメが好きだという学生に陛下がアニメのタイトルを質問された。
学生が「『NARUTO』が好きです」と答えると、陛下は、「私は『NARUHITO』(徳仁)です」と即座に応えられて、その場は笑顔に包まれた。
皇后雅子さまも海外で生活なさったご経験が長く、いつもユーモアを大切にするご家庭で育った。雅子さまの祖母の江頭寿々子さんは生前、「たとえ外では大変なことや疲れることがあったとしても、家に帰ってからは家族の前で明るくしていようという優しさがユーモアの中にあったと思いますよ」と語っていた。
両陛下のユーモアにあふれた温かい会話の中で育った愛子さま。
成年会見の中でも記者に長所を聞かれた時には、「長所は、自分ではなかなか気付きにくいものでございますけれども、事前にこのご質問をいただいたのでじっくりと考えてみまして、強いて申し上げるなら、『どこでも寝られるところ』でしょうか。以前、栃木県にある那須の御用邸に行き、その着いた晩に、縁側にあるソファーで寝てしまい、そのまま翌朝を迎えた、なんてこともございました」と語った。
事前に会見内容は両陛下も確認されているが、公開することはもちろんのこと、以前から愛子さまのそんなのびのびとしたところを“長所”として捉えて会話なさっている両陛下の温かさも伝わってくるようだった。
2024.12.07(土)
文=友納尚子