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レーザー治療をするのはセルフケアをした後がベスト

 日常的におりものシートを使用する人もいるが、シートがスレて黒ずみの原因となるのはもちろん、デリケートゾーン全般のトラブルを増やすことにもなる。

「シートの表面はサラサラでも、水分を受け止めるための塩化ビニールなどが素材に使われていて、ショーツの中のムレは避けられません。ムレはかゆみや雑菌を増やす大きな要因で、雑菌を排出するためにおりものが増え、おりものが触れるところがかゆくなり、掻くと角質が肥厚して黒ずみが助長されるという悪循環になります」

 そこで八田先生がおすすめするのが、おりものシートをやめて、下着ごと交換するという方法。

「おりものシートが手放せない患者さんには、1日3回くらいショーツを替えるようにアドバイスをしています。最初は面倒でも、穿き替えたらサッパリと1日を過ごせたという声は多く、トラブル改善につながった例をたくさんみてきました。私自身は、ショーツを穿かずにパジャマを着て寝ていますが、こちらもおすすめですよ」

 締め付けのない下着に変えて、おりものシートの使用を控える生活を3~4カ月ほど送ると、黒ずみは徐々に軽減していくそう。

「皮膚には生まれ変わるサイクルがあるので、やはり、時間はかかります。皮膚はもちろん、全身の細胞は食べたものから作られていますので、食事のバランスを見直すことも大切です。生活習慣が変われば、黒ずみは徐々に軽減します。

 結果が早く出るレーザー治療などの選択肢もありますが、レーザー治療で黒ずみが軽減しても、生活習慣が以前と同じであれば、再び黒ずんできてしまいます。まずは、セルフケアと生活の見直しをすることが先決です」

●お話を聞いたのは……

産婦人科医 八田真理子先生

聖順会ジュノ・ヴェスタクリニック八田院長。日本産科婦人科学会産婦人科専門医。日本産婦人科医会母体保護法指定医師。地域に根ざし、思春期から更年期まで幅広い女性の診療・カウンセリングをしている。

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2024.11.23(土)
文=今富夕起
写真=平松市聖

CREA Due 2024年10月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。