なぜか無人島に建つ郵便局で思い出を残そう

無人のワンフット島にある郵便局。パスポート持参で訪れたい。

 アイツタキ島でおすすめの体験は1日クルーズツアー。ラグーン内の無人島、ワンフット島をベースに、シュノーケリングやお昼寝などをして、美しい海を満喫します。

 フリータイムにはワンフット島から100メートルほど離れた沖のサンドバンク(通称“ヘヴン”)へ、ぜひ歩いて渡ってみてください! 360度、光輝くラグーンに囲まれるシチュエーション、心打たれること必至です。

 そしてワンフット島のお楽しみといえば、無人島なのに、なぜか建っている郵便局。ポストカードを送ったり、パスポートにスタンプを押してもらうのも、ここだけの思い出になることでしょう。

アイツタキ本島の高台から、国旗越しにラグーンを一望。

 ちなみにワンフット島の名前の由来は、諸説ありますが、こんな伝説も。

 ある日、巨大な戦士が村を襲撃し、このエリアを壊滅状態に。命からがら、ひと組の親子がこの島に逃げてきました。子供は一目散に逃げ、その足跡に重ねるように父は足跡を乗せていきました。けれど、ついに父は戦士につかまり、殺されてしまいます。戦士は足跡が一人分しかないので、それ以上深追いはせず、本島へ戻りました。やがて生き残った息子は成長し、島を束ねる族長になりました。父の機転が子供を救ったという、お話です。

アイツタキ・ラグーン・リゾートに訪れると、ホラ貝で迎えてくれます。

 アイツタキ本島は、開発とは無縁な雰囲気。中心地のアルタンガでさえ、人の往来もまばら。この島はもちろん、国自体にも信号機がひとつもないのです。

 そんなのんびりとした島ながら、ステイ先のタイプは多彩。南の島らしいプチ・リゾートもあれば、プライベートプール付きのヴィラ、水上コテージをもつリゾートも。ただし自然保護のため、どんなに人気があろうとも、水上コテージはこれ以上造らないと島民で決めたのだそう。お金よりも、美しい自然を優先した島なのです。

アイツタキ島
アクセス クック諸島(ラロトンガ島)へはニュージーランドから空路約4時間。ラロトンガ島から空路約45分でアイツタキ島へ
おすすめステイ先 パシフィック・リゾート・アイツタキ
URL http://www.pacificresort.com/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

古関千恵子の世界極楽ビーチ百景

一口でビーチと言っても、タイプはさまざま。この広い世界に同じ風景は一つとして存在しないし、何と言っても地球の7割は海。つまり、その数は無尽蔵ってこと? 今まで津々浦々の海岸を訪れてきたビーチライター・古関千恵子さんが、至福のビーチを厳選してご紹介します!

2014.04.19(土)
文・撮影=古関千恵子