この記事の連載
◆8位『夏の終点』西尾拓也

気付いたらその人を目で追っている──中学生の恋心を静謐な筆致で描く佳品。
ふたりきりになった緊張感、心が通じあった瞬間などの感情がみごとに描出され、ときめきという滋味が体にしみこんでいくよう。
相手に自分を押し付けることのない控えめな愛に心が瑞々しく潤います。

「静かで揺るぎない10年越しの恋に満たされます」(編集者・ライター・作家 粟生こずえさん)
2024.09.06(金)
文=粟生こずえ
写真=平松市聖
CREA 2024年秋号
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