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SNSで受ける人の目とプレッシャー

――そんな澪に、坂本さんが共感した部分はありますか。

坂本 澪は芸能界に憧れていたけど、自分とは価値観の違う人たちとめぐり逢い、傷ついてアイドルを引退した女の子です。歌って踊ることが好きだったのに続けられなかった彼女の経験は、自分のことのように苦しく感じました。

 今の時代は一般の方もSNSで自分をさらけだす時代ですけど、そこで受ける人の目とプレッシャーってすごく大きいんです。華やかな世界で目立つ存在になった澪は、きっと多くの視線にさらされる事実が、1人の人間として受け止めきれなかったんでしょう。でも、それも含めて「お仕事」なんですよね。

 彼女の人生はこれからだから、夢と現実の重なるところを見つけていくのかな、と期待しています。大人目線で守ってあげたくなるというか、応援したくなりました。

――作品では澪以外にも、陽と親密になる女性が2人出てきますが、共感したキャラクターはいましたか? 

坂本 陽が合コンで出会う三国紗羅は、飲み会で会った時は派手な女の子に見えたけど、家では眼鏡をかけてカーラーを巻いている姿に親近感を覚えました。

 それに陽の初恋の相手である桃井真珠(まこと)は、とにかくかわいくて「この子こそ、メインヒロインだよな」って思いましたね。ちょっと年上で、男性からも女性からも「あの子、良い子だよね」と言われるような非の打ち所のない女性です。

 この作品の良いところは、恋のライバル同士の仲がいいことです。本当に素敵な関係性だなと思いながら観ていました。

2024.07.24(水)
文=ゆきどっぐ
撮影=釜谷洋史
ヘア&メイク=MIZUHO(ビタミンズ)
スタイリスト=岩渕真希