早期退職を決意したきっかけ

――Otomatoさんは早期退職をされたそうですが、それもYouTuberになるため?

Otomato 早期退職は、一緒に働いていた先輩が急に亡くなってしまったことが大きいです。

 当時その方は担当生徒を卒業させる直前でしたが、病気で急死されてしまったのです。仕事も退職直前だったこともあり、さぞ無念だっただろう、と思います。卒業式とご自身の引退の日を楽しみにされていたのを知っていただけに、ショックが大きくて。

 そこで改めて、人はいつ死んでしまうかわからないと痛感して、自分の中に早期退職という選択肢が自然と出てきたんです。

――教員ではない、別の道にも興味があった?

Otomato 学校という、校則や時間割といった制約の多い生活を長くしていたものですから、自分の裁量ですべてを決められるフリーランス的な働き方にあこがれがありました。

 もし私に文才があったらまた別の挑戦も考えたかもしれませんが、漠然と、文字が苦手な私にとっては映像の世界のほうが敷居が低く感じましたし、YouTubeなら資本金なく、ノーリスクではじめられるだろう、という部分で決めました。

 

学校から離れたことで服装がラフに

――お金の面で不安はなかったですか。

Otomato 娘も30を過ぎていて、仕事も辞めそうになかったですし、すでに両方の親を見送っていたので、夫婦2人だけならそんなに頑張って働かなくてもいいかな、と。

 今は再雇用制度でどんどん引退が遅くなっていて、皆さん65歳とかまで働かれていますよね。それはそれで安定していいかな、とも思いましたが、やっぱり、人間いつ死ぬかわからないから、好きなことをやってみよう、という気持ちの方が大きかったですね。

――学校から離れたことで、ファッションも変わりましたか。

Otomato 保護者と会うときはもちろん、私立だとブレザー必須の学校もありますし、式典は礼服と決まりがあります。それに比べたら、やっぱりラフになりました。ジーンズなんかは学校では穿けないですから。

2024.06.10(月)
文=小泉なつみ