どうやって保護猫を迎えたらいいのか
保護するとまず、お風呂の浴槽に居場所をつくるんです。マンションのお風呂場って保温されてるし、気温差がない。夏は部屋にクーラーをつけて換気扇を回すとほどよい冷たさになるし、冬は冬で温かい。ちっちゃい猫ってトイレがうまくできなかったり、ごはんをこぼしたりするんですけど、すぐ洗い流せて清潔に保てるところもいいんですよね。
猫がいる間、僕は浴槽にお湯が入らないくらい隅っこで静かにシャワーだけ。湯船に浸かりたいときは銭湯へ行ったり、近所に住んでた先輩の辻井さん(アイロンヘッド)の家で入らせてもらったり、劇場のお風呂に入ったりしてました。母猫が雷とかでパニックになって産まれたばかりの仔猫を放置してしまうこともあるんですけど、そういう仔猫を拾ったときはバケツの中に布と温かいペットボトルを入れておいて育てていましたね。
猫のことをSNSにあげるようになると、保護施設の方からアドバイスやうちの猫を見に来てくださいという連絡をもらうようになりました。昔は野良猫か家で飼われている猫、どちらかしかいなかったじゃないですか。だから、僕が保護して貰い手を探さないとと必死になってたところもあったので、こういう施設で保護されてる猫がいることを知ってちょっと安心しました。
よく「猫が鳴いてるんですけど、どうすればいいですか?」というDMをもらいます。命なので軽々しく保護してくださいとは言えませんけど、大事なのはあなたがどうしたいのか。それだけです。僕が保護するようになったころってお世話のノウハウを知るものがあまりなかった気がするんですけど、今YouTubeやSNSで「仔猫 ミルク あげ方」とか検索すればたくさん出てきます。
ごはんとトイレもコンビニで購入できる。ダンボールとタオルがあれば、簡易ベッドもできますしね。そのあと、ケージ、爪とぎ、キャットタワーを揃えれば十分ですし、観察してその子に合うものはあとから探せばいい。今、いいものがたくさんあるので技術が補ってくれるし、猫が一緒に学ばせてくれるから心配ないです。
猫との暮らしが初めてという人には、仲のいい2匹を一緒に飼うことをおすすめしたいですね。2匹やと一緒に遊ぶし、ちょっと寒いなと思ったら一緒に丸まって寝られる。うちも1匹だけのときは壁に穴を開けたりして手がつけられなかったんですけど、2匹目が来てからすごく静かに。留守の間に2匹で死ぬほど遊んでるからか、僕が帰ってきてからもおとなしくなりました。
2024.06.12(水)
文=高本亜紀
写真=志水 隆