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「若葉くんが現場にいれてくれると本当に心強い」

――医療ドラマというジャンルに関して言えば、初めての挑戦になりますよね。これまで好きでご覧になっていた医療ドラマなどはありますか?

 『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』です! フジテレビさん系だから言うわけじゃないですけど(笑)、医者の患者との向き合い方が、その人にしかできない向き合い方をしていると感じられたのが好きな要因かもしれません。すごく人間味を感じるドラマだなと思っていました。あとは、『ナースのお仕事』も好きで大学の頃に見ていました。

――医療ドラマならではで、今、楽しみにしていること、逆に不安に思っていることなどを教えてください。

 先日、縫合の練習を若葉竜也(三瓶友治役)くんと一緒にさせていただいたんですね。初めてやったんですけど、「こんなに難しいんだ!」と思って。パッと隣を見たら、すぐにコツをつかんでうまく縫合している若葉くんを見て、めちゃめちゃ焦りました(笑)。

――なるほど(笑)。若葉さんとは昨年の映画『市子』での共演も非常に印象深かったです。ドラマでのバディとは想像していませんでしたが、いかがですか?

 若葉くんとは今回で、もう4回目になるんです。ドラマだと3~4カ月ご一緒できるので、長い期間は初めてなので今から楽しみです。私からすると、若葉くんがドラマに出るって、東京で星が流れるぐらい新鮮な感じで……! 朝ドラ(『おちょやん』)でご一緒したときもそうでしたけど、とても貴重なタイミングで、自分も立ち会わせてもらっているご縁を感じています。

 私は自分たちの気づかないところに目を向けて、アグレッシブに物作りに取り組まれていく若葉くんの姿をこれまで何度も見てきました。役者として責任感の強い方という印象を持っていますし、すごく尊敬しています。ドラマというとてもタイトなスケジュール感の中で、どこまでクリエイティブにこだわっていけるのか、いい意味で想像がつかない若葉くんがいてくれることで、より世界が広がっていくんじゃないかというふうに感じています。本当に心強い存在ですし、楽しみです。

――一方、大迫紘一役の井浦さんからの杉咲さんに向けてのコメントでは、「数々の作品を拝見してきて“なぜこんな表現ができてしまうのかな、怖いな”と。俳優さんの中で化け物っているんですけど、杉咲さんは間違いなくその部類にいる人という印象です。だから僕の中ではまだ化け物なんです。早く人間と知って安心したいなと思います(笑)」と、俳優として超人的な扱いを受けていました。

 本当に、勘弁してほしいです(笑)! 撮影で1日一緒に過ごせたら、すぐに人間だとわかってもらえると思います。というよりも、きっとかなりつたない姿も今後お見せしてしまうことになるのではないか…という気持ちです。

 私こそ、これまで井浦さんの数々の作品を拝見していましたので、ご一緒できることがすごくうれしいです。俳優としてのご活躍を超えたところに、メディアを通して、ご自分が暮らす街だったり、他者と共にあることに対して連帯の姿勢を取られている印象を勝手に受けていました。そんな井浦さんがミヤビが信頼を寄せている大迫教授を演じられるので、すごく説得力を感じています。

2024.04.13(土)
文=赤山恭子
撮影=佐藤 亘
スタイリスト=吉田 達哉
ヘアメイク=宮本 愛(yosine.)