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 CREA Traveller 2024 vol.1の特集は、「パリ」。

 歴史と文化が幾層にも折り重なるパリは、エレガントにしてエネルギッシュ。注目のガストロノミーでトップシェフの感性に感激し、ブラッスリーやブイヨンでワイン片手に会話に花を咲かせ、クラフトマンシップの結晶、至高の逸品との出会いに心を躍らせる――。文化・芸術を愛するこの街を歩くと、いたるところで“サヴォワールフェール”の煌めきが私たち旅人を迎えてくれることに気付くはず。いま最も訪れたい旅先・パリで見つけた、とっておきの「美しいもの」「美味しいもの」をご紹介します。

CREA Traveller 2024 vol.1

パリの煌めき

特別定価1,800円


 このところパリでは新しいアートスポットや、これまでの施設をバージョンアップしたものが続々と登場している。魅力的なのは、そこにもれなく美味しい店が入っていること。

 観る楽しみと味わう幸福。その両方を叶えてくれる、とっておきの場所を5回に渡りご紹介しよう。


誰でも入館可能文化大国の懐の深さ

◆Bibliothèque Nationale de France Richelieu(フランス国立図書館 リシュリュー館)
Rose Bakery - Tea Room à la BnF-Richelieu(ローズベーカリー BNFリシュリュー・ティールーム)

 フランス国内で印刷されたすべての出版物の納本を義務付けた、14世紀の王室文庫からの伝統をもつフランス国立図書館。

 セーヌ左岸のフランソワ・ミッテラン館と、右岸のリシュリュー館に4,000万点を超える資料が収蔵されているという。

 そのうち、古いものでは17世紀太陽王の時代からの建築が層を成すリシュリュー館が12年に及ぶ大工事を経て、2022年9月に再び扉を開いた。

 圧巻は「オーバルルーム」。高さ18メートルの天窓から光が入る巨大な楕円形の空間に2万点余りの蔵書が並んでいる。

 景観だけでもすでに素晴らしいが、誰でも無料で利用できると聞けば、ちょっと驚いてしまう。図書館登録カードなども必要ない。

 一日限りの旅行者であっても、簡単にこの風景の一部になれるのだ。中央デスクの方は、並んで開館を待ち構えて席を確保する常連さんたちに譲るとして、ソファで料理本や美術書をゆっくり眺めたりするのがいい。

 あるいは、美しく復元された建物の装飾を愛でつつ書架の間を歩くだけでも、この稀有な場所を十分に満喫することができる。

 「オーバルルーム」の隣、一見すると慎ましやかに扉を開いているのが「ローズベーカリー」のティールーム。

 ローズさんとジャン=シャルルさんの英仏カップルが立ち上げ、パリですでに20年以上愛されてきたこの店が登場したことで、誰にでも開かれた図書館がさらに魅力的なものになった。

 ヘルシーなキッシュや人気のキャロットケーキが、ほっこりやさしい口福をもたらしてくれる。

Bibliothèque Nationale de France Richelieu(フランス国立図書館 リシュリュー館)

所在地 5 rue Vivienne 75002 Paris
[図書館]
電話番号 01 53 79 53 79 
開館時間 10:00~18:00(火曜 10:00~20:00)
休館日 月曜、年7回の休館日
入館料 無料(ミュージアム10ユーロ)

Rose Bakery - Tea Room à la BnF-Richelieu(ローズベーカリー BNFリシュリュー・ティールーム)

電話番号 01 53 79 86 50
営業時間 10:00~18:00(火曜 10:00~19:00)
定休日 月曜

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Column

CREA Traveller

文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。

2024.01.15(月)
文=鈴木春恵
撮影=橋本 篤
編集=矢野詔次郎

CREA Traveller 2024 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

Paris パリの煌めき

CREA Traveller 2024 vol.1

Paris パリの煌めき

特別定価1,800円(税込)

「CREA Traveller」2024 vol.1の特集は、「パリ特集」。