◆白米千枚田とあぜのきらめき

 輪島市米田町の日本海に面した約4ヘクタールの斜面に、1,004枚もの田が連なる白米千枚田。里山に描かれた幾何学模様が美しく、日本の棚田百選や国の名勝にも選ばれた、奥能登を代表する景勝地だ。

 四季折々に素晴らしい景観を望めるが、冬に雪で覆われた様子はまさに壮観。白米千枚田と隣接する「道の駅 千枚田ポケットパーク」の展望台からは、眼下に広がる棚田を一望できる。

 さらに毎年10月下旬から翌年3月中旬にはイルミネーションイベント・あぜのきらめきが開催。あぜに設置された約25,000個のソーラーLEDが日没から約4時間点灯し、四季を表すグリーン・ピンク・ゴールド・ブルーの4色へと15分おきに変化。闇夜に棚田が浮かび上がる光景は幻想的で、辺りがロマンチックな雰囲気に包まれる。

開催期間:開催中~2024年3月10日(日)

白米千枚田とあぜのきらめき(しろよねせんまいだとあぜのきらめき)

所在地 石川県輪島市白米町ハ部99-5
https://wajima-senmaida.jp/

◆波の花

 花吹雪のように海岸に舞う波の花は、能登の冬の風物詩。季節風が強い日に、岩に打ち寄せた波が白い泡になって雪のように舞い、海岸を覆っていく様子を花に見立てて「波の花」と呼ばれている。毎年、寒さが厳しく実が荒れている11月中旬から2月下旬に見られ、曽々木海岸や鴨ヶ浦付近でよく見ることができる。

 波の花は、海中に漂う植物性プランクトンの粘液が岩などに何度も打ち付けられ、せっけん状の白い泡を作ったものといわれ、海が汚染されていると泡が作られにくいとされている。

 厳冬期にしか見られない日本海の雄々しさと白い花のごとき泡の舞いが、一度見たら忘れられない神秘的な迫力を生み出す。

波の花(なみのはな)

所在地 石川県輪島市町野町曽々木
https://www.hot-ishikawa.jp/spot/6014

2024.01.01(月)
文=桐生奈奈子