この記事の連載

幼い娘が熱を出した! 旅のなかでどう対処するか

―― 一緒に旅を続けている娘のナイラちゃんは10歳、フィビーちゃんは6歳。彼女たちは、大自然の中でどのように学習をしていますか?

セリーヌ 地図を広げて、地図で見たところを通って、そこがどういったところなのかを五感で体感して学んでいます。彼女たちの興味のあることを大事にして、それをフォローすることが重要。テキストブックを使うこともありますが、読み書きや、算数、図形なんかも、彼女たちが興味を持ったことをサブジェクトに、いろんな側面からアプローチして、学びの場を与えています。また、その土地その土地でスペシャリストに出会うことも。カナダでは海洋生物学者に3日間、クジラについて教えてもらえる機会がありました。

――ナイラちゃんとフィビーちゃんは、旅の中でどのように友人関係を作っているのでしょうか?

セリーヌ 子供は、同い年の子と友達になるというのが一般的だと思うのですが、ナイラとフィビーには、1歳児からご高齢の方まで、幅広い年齢の友達がいます。先週千葉の大学で講演した際には、大学生のお兄ちゃんお姉ちゃんたちとすぐに打ち解けて、友達になっていました。

――子供と一緒に旅をすると、急な発熱に見舞われることもあると思います。旅先でどのように対処していますか?

セリーヌ 一度、娘が40度近い熱を出したことがありました。病院に駆け込むのがいいのか、子供の様子をしっかり見守って冷静に対応すべきなのかと悩み、私たちは後者を選びました。すると、一晩経ったらすっかり熱が下がっていました。娘たちは、寒い日も雨が降る日も、外で自転車を漕いで体を動かし、テントで寝ているので、体がどんどん順応してきているのだと思います。小さな頃は素手でいろんな土地の土を触って、それを口に持っていっていました(笑)。なので、自然と自己免疫力が高まっていき、病気しにくい体になっているんです。

2023.12.10(日)
文=石橋果奈
撮影=細田 忠
写真提供=パッシュファミリー