JR目黒駅から近い都心にありながら、豊かな自然とホテル丸ごとがアートの宝庫である「ホテル雅叙園東京」。その施設内に新しいレストランが誕生した。

 美しく静かな森に囲まれたカジュアルな空間で楽しめる“自然派イタリアン”は、あの有名シェフのお店。毎日通いたくなる、体にも心にもやさしいお店に足を運んでみた。


動物性油脂やにんにくなどを極力控えたイタリアン

 新店「CANOVIANO CAFE」を率いるのは植竹隆政シェフ。1999年に代官山で開業し、2017年にホテル雅叙園東京内に拠点を移した「RISTORANTE “CANOVIANO”」のシェフである。

 創業当初、バターやクリームなどの動物性油脂、にんにくやトウガラシなどの強い香辛料を極力使わないイタリアンは衝撃的。風味の高いオリーブオイルと厳選した食材を使えば、これほどまでに香りよく、素材の味を楽しめる、さらには体に負担がないことに気づかされた。

 実際、その考え方は現代のレストランウェディングにフィット。老若男女が大切な席で楽しめ、特別なシーンを彩る料理として絶大な人気を誇っている。

 さて、「CANOVIANO CAFE」のコンセプトももちろん同様。さらにカジュアルに入れるようになり、ランチやストウブ鍋で藁焼きにするグリル料理、生パスタなどが充実している。

“すりたて”生ハムなど香りが際立つメニューばかり

 スターターにはぜひ生ハムを。イタリア製のスライサーで「する」ようにごく薄く削り出された生ハムは、味も香りも格別だ。舌の上で溶けるような繊細な食感と広がる旨みを堪能。

 にんにくたっぷり! なことが多いアヒージョも、ここではにんにく不使用。「塩サバと生姜の“にんにくを使わない”アヒージョ」は、鉄板の組み合わせであるじゃがいも+サバに、生姜を香らせるのがポイント。じゃがいもは「インカのめざめ」でホクホク甘い。

2023.11.14(火)
文=CREA編集部
撮影=榎本麻美