◆五箇山麦屋まつり・城端むぎや祭

 「五箇山麦屋まつり」は、南砺市下梨にある「地主神社」境内で行われる秋祭り。五箇山の下梨集落を中心に広がった、平家の落人が都を偲んで唄って踊ったといわれる「麦屋節」を現代に伝えるものだ。

 祭りでは、男性による勇壮な笠踊りや、女性による優雅な手踊りなどの舞台が繰り広げられ、平家武士の風格とともに、山間部で農作業などをしながら暮らす様子を彷彿とさせる。

 また「城端むぎや祭」も南砺市の代表的な秋祭りであり、五箇山と城端が結びつきを深めた昭和26(1951)年から始まったもの。麦屋節コンクール全国大会、むぎや踊り競演会のほか、観光客も参加できる総踊りなどが開催され、城端エリアのいたるところで麦屋節の踊りが見られる。

開催日
・五箇山麦屋まつり:毎年9月23日
・城端むぎや祭:毎年9月中旬

五箇山麦屋まつり・城端むぎや祭(ごかやまむぎやまつり・じょうはなむぎやまつり)

開催地 五箇山麦屋まつり:富山県南砺市 地主神社境内、城端むぎや祭:富山県南砺市 城端別院善徳寺・南砺市城端伝統芸能会館じょうはな座、城端市街地
https://www.tabi-nanto.jp/event

◆布橋灌頂会

 「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」は、立山町芦峅寺(あしくらじ)に伝わる橋渡り儀式。立山は登拝することで極楽浄土へ行けるとされる霊山だが、江戸時代には女性の入山は許されていなかった。そのため、女性も極楽浄土へ行けるようにと始められたのがこの儀式で、白装束姿で白い布が敷かれた橋を渡るというものだ。

 儀式当日は、一般公募で選ばれた約50人の女性衆が白装束をまとい目隠しをして、あの世とこの世の境とされる朱塗りの「布橋」を渡ってゆく。雅楽の音色に導かれながら一歩一歩進む様子は、荘厳さを感じさせる光景である。

 この儀式は、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって途絶えていたが、1996年に国民文化祭に合わせて約130年ぶりに復活。現在は、3年に一度開催されている。

開催日:2023年9月24日(日)

布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)

所在地 富山県中新川郡立山町芦峅寺地内・立山博物館
https://yukutabi-tateyama.jp/

2023.09.23(土)
文=佐藤由樹