知られざる絶景がいっぱいの感動王国
2019年より日本など各国からの旅行者の受け入れが始まり、「2030年に国内外からの年間観光客数 1億人」を目標にかかげるサウジアラビア王国。これまで神秘のベールに包まれていたこの国は、旅が好きな人にとって、最後に残された憧れの地です。
![紀元前2世紀ごろに栄えたナバテア文明の遺跡が残されている古代都市アルウラ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/1280wm/img_7afa45b26bcfff2c7efd6ad9a04c1aeb94934.jpg)
そこで、このたび来日した、サウジアラビア政府観光局のアルハサン・アルダッバグ氏にその魅力を聞いてみました。
![国の魅力を伝えるため来日した、サウジアラビア政府観光局 アジアパシフィック担当プレジデントのアルハサン・アルダッバグ氏。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/1280wm/img_f0eb064730c5a9fc191bd7cc7697f086107992.jpg)
「サウジアラビアと聞いて、多くの人は砂漠や油田を思い浮かべ、灼熱の国をイメージするでしょう。でも、南部に行けば涼しく、北部の山岳地帯には雪も降る、そんな美しい国です。そして、旅においていちばん大切な、歓迎の心にあふれる国でもあるのです」
![山に抱かれるように石造りの伝統建築が並び、約700年もの歴史を誇るリジャール・アルマー村。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/e/1280wm/img_ce102b8e63814a84730fce08a4810776176559.jpg)
アルダッバグ氏によれば、サウジはまさに、アラブの真髄が凝縮している国。
「数千年前の古代遺跡、手つかずの大自然、伝統文化を受け継ぐ村もあれば、首都リヤドのようなグローバルシティもあります。さらに砂漠、珊瑚礁、アート……、これほど多様な体験ができる国は、ほかにありません。UNWTO(国連世界観光機関)でも、世界で最も急成長しているデスティネーションとされ、私たちは、世界TOP 5の旅先を目指しています」
![高さ1,131mの「Edge of The World(世界の果て)」。こんな非日常の光景が広がるのもサウジならでは(現在は閉鎖中)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/c/1280wm/img_fc427d6203d11b4a471675986d4c850f112515.jpg)
さて、まず気になるのが治安のこと。
「サウジは、とても安全に旅を楽しめる国。治安の良さは、国際ランキングで上位をキープしていますし、女性も安心して旅行できます。先日も、サウジ第2の都市ジェッダを訪れたアメリカ人の女性旅行者から、“深夜の散策が楽しかった!” とのコメントをいただきました」
![サウジ西岸の紅海には、美しい珊瑚礁が広がり、2030年までに48軒の高級リゾートが開業予定。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/9/1280wm/img_c92014570120d76204466cf633f9a78292607.jpg)
女性も安心して旅行を楽しめる国、サウジアラビア。服装も過度の露出がなければ、基本的に自由とのこと。
「ふだんは、みなさんと同じような服装ですよ」と話すのは、観光局の女性スタッフ。
「民族衣装のアバヤは、日本でいえばキモノのようなもの。お祝いなどの特別な席や、フォーマルな場所に着ていくのは、私たちにとって喜びですし、楽しみでもあります。かわいいもの、ゴージャスなものなど、いろいろなデザインがあって、とてもファッショナブル。しかも快適なんですよ」
![サウジ第2の都市ジェッダ。世界遺産に登録されている旧市街アル・バラドには、カフェや雑貨屋さんなどが。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/1280wm/img_4f031f35f3057fc6eb278383ea71367d192433.jpg)
ちなみに、サウジの人にとって大切なアバヤ。私たちが着てもよいものでしょうか?
「もちろん! むしろ、ぜひアバヤを体験してほしいです。“写真を撮らせて” と、きっとサウジの人からたくさん声をかけられると思いますよ(笑)」
![きらめく街のイルミネーションが美しい首都リヤド。「サウジの都市は、夜でも安心して楽しむことができます」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/1/1280wm/img_f148e3ac854a4f61495d3ae77e4ae5a0228824.jpg)
アルダッバグ氏によれば、「サウジでは、さまざまな高級ブランドなどのショッピングも楽しめるほか、女性のアバヤ、男性はトーブと呼ぶのですが、これらをご購入されるのもおすすめ」とのこと。
「でも、やはり私たちの国は、ほかのどこにもない体験。これこそが “買い” だと思います」
![バイク旅行で訪れたジャザンについて語るアルダッバグ氏。「広がる雲海の向こうに太陽が。感動しました」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/1280wm/img_7aa01e83c90c0dcda0c80975ce4b5bd498670.jpg)
「先日は、南部ジャザンの山岳地方へバイク旅行をしました。ブラックマウンテンがそびえ立ち、その山頂付近には、細い道路が一本。右を見ても、左を見ても、ただ雲海だけが広がっていて……。とても感動しました」
![砂漠の国と思いきや、南部アシール地方には、こんな心が癒やされる風景が。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/b/1280wm/img_cbd86e1f31c0fc27de04bd8afe9783eb264624.jpg)
では、初めてのサウジ旅行、絶対行くべき場所はどこですか?
「やはり、首都リヤド、古代都市アルウラ、そして紅海の港町ジェッダ。私たちは、この3つを〈ゴールデントライアングル〉と呼んでいます」
![アルウラの風景のなかに溶け込むマラヤ・コンサートホール。景観保護のため総鏡張りで、こんなアイディアを実現するパワーにあふれているのも、この国の大きな魅力。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/1280wm/img_92b2bc02e2086f8f165ce7da10aae3fb133806.jpg)
「なかでもアルウラは、この地域全体が博物館のような場所。数千年前に栄えたナバテア文明を体感して、さらに夜になれば素晴らしい星空が。これはまさに唯一無二です」
![サウジ各地では土地の伝統料理を味わえ、さらにリヤドやジェッダなどの大都市では世界各国の料理を堪能できます。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/5/1280wm/img_55da77eda00d10bd351b556911e5fe46272948.jpg)
「そして、サウジならではといえば、多彩なグルメ体験も見逃せません。サウジ料理は、野菜や豆などを使ったヘルシーなものが多く、滋味にあふれます。また、3ツ星クラスの世界各国料理も味わえます」
そこで気になるのが、お酒のこと。サウジのアルコール事情は?
![さまざまなシーンで提供される、カルダモンの香りが広がるサウジコーヒーとデーツ(ナツメヤシ)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/9/1280wm/img_89abdaa5c9354fe54438be1724496184128176.jpg)
「これがいちばんよく訊かれる質問ですね。そして、その答えですが、サウジアラビアではアルコールは禁止。私たちの国は、自らのアイデンティティを守り、それも国の魅力として体験してほしいと考えています」
日本の約6倍の広大な国土に、豊かな自然、歴史文化が育まれ、受け継がれてきたサウジアラビア。
「私たちの国に来れば、アルコールのことをすっかり忘れてしまうほどの、圧倒的な体験をみなさまにお約束します。アルコールデトックスにもなって、一石二鳥ですよ(笑)」
![左から、聖句と刀が描かれたサウジアラビア王国の国旗と、政府観光局の旗。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/1280wm/img_21d18c26b133c6121273331aa37ab6e375693.jpg)
人口の約70%が35歳以下というサウジ。若い世代が多いことから、街には活気があふれ、音楽やアートなどのイベントも多数開催。近年は、中東のアートセンターとしても脚光をあびています。
そして、サウジ国民は、子供のころから『ドラゴンボール』や『ワンピース』など、日本のアニメを見て育ち、親日家が多いとのこと。
「サウジアラビアは、とにかく “We Love Japan” な国。ぜひ一度、私たちの国にお越しください。サウジアラブならではの “ハファワ(おもてなし)” の心で、みなさまを歓迎いたします」
サウジアラビア政府観光局 日本語ウェブサイト
【サウジアラビア旅行の基本情報】
●ビザ/ウェブサイトでのeVisaを取得により、90日の滞在が可能。●アクセス/ドバイ、アブダビ、ドーハなどの都市を経由して、首都リヤドまで約13~15時間。●服装/過度の露出を控えれば、基本的に自由。モスクや聖地を訪れる際は、女性はアバヤ着用がおすすめ。●物価/おおむね日本と同じくらい。通貨はサウジアラビア・リヤル(SAR 1=約38円/2023年6月現在)
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2023.06.09(金)
文=矢野詔次郎
写真=鈴木七絵(人物)、サウジアラビア政府観光局