日本全国の絶景を紹介するCREA WEBで人気の連載企画「いつか行きたい!『日本にしかない風景』再発見」。

 今回はその特別編として、実際に編集部が絶景スポットへ赴きました。訪れたのは国の名勝に指定、日本百景にも選ばれている「帝釈峡」。広島県は庄原市東城町と神石高原町にまたがる峡谷は自然が生み出した美しさに満ちていました。


春の新緑の季節にぴったりのお出かけスポット帝釈峡

 帝釈峡は中国山地の中央に位置する全長約18キロメートルの峡谷。広島空港からは車で1時間ちょっと、最寄り駅の芸備線東城駅からはおよそ20分ほどの距離に位置しています。南北に広がる峡谷で、主に上帝釈エリアと神龍湖エリアに分かれています。

 まずは、渓流沿いに遊歩道が整備され、石灰岩地帯特有の景観を歩きながら堪能できる上帝釈エリアへ。

 カルスト台地が長い年月をかけ、浸食されることによってできた帝釈峡は、あちらこちらにこの土地ならではの独特な景観が見られます。

 中でも見どころなのが、隆起と浸食作用によってできた長さ90メートル、幅19メートル、高さ40メートルもある日本一の大きさを誇る天然の橋「雄橋」。その圧倒的な存在感から「神様」や「鬼」が架けた橋とも称されています。

 北アメリカの「ロックブリッジ」、チェコの「プレビシュ」と並び、世界三大天然橋にも数えられる雄橋は、かつては生活道路としても使われていたそう。人だけでなく、馬や馬車なども行き交い東城から庄原への旧街道になっていたとか。下から覗く景色も圧倒ですが、上からの景色はどうなっているのか、想像が膨らみます。

2023.03.31(金)
文=CREA編集部
写真=石川啓次