「これ、すごく好き」と思えるモノは、自分らしさの種となり、あなたという人の輪郭を描いてくれるものになる。ジュエリー・ディレクター伊藤美佐季さんおすすめのアイテムを紹介します。


PRADA

ネックレス「ETERNAL GOLD」

使用しているゴールドはすべてRJC(責任あるジュエリー協議会)が定める「Chain of Custody」基準に適合した、K18のリサイクル認証ゴールドを使用。昔ながらの職人技を駆使しつつ、21世紀のラグジュアリーの在り方を示すサステナブルな取り組みはさすが。(YG)1,089,000円(予定価格)/プラダ(プラダ クライアントサービス)
使用しているゴールドはすべてRJC(責任あるジュエリー協議会)が定める「Chain of Custody」基準に適合した、K18のリサイクル認証ゴールドを使用。昔ながらの職人技を駆使しつつ、21世紀のラグジュアリーの在り方を示すサステナブルな取り組みはさすが。(YG)1,089,000円(予定価格)/プラダ(プラダ クライアントサービス)

 プラダでハートモチーフ……私の“想定外”なデザインに、いい意味で衝撃を受けたのが、プラダが初めて発表したファインジュエリーコレクション「ETERNAL GOLD」です。

 リサイクル認証を取得したゴールドのみを使い、携わるゴールドやダイヤモンドの生産チェーンはすべての工程が検証・追跡可能という業界初のサステナブルな取り組みが大きな話題となり、私も一体どんなジュエリーなのか、ワクワクしていました。

 プラダというと辛口のワードローブのイメージがあるので、ファインジュエリーもシンプルモダンなデザインかな……と予想していたのですが、私の目に飛び込んできたのは、ぷっくりと丸みを帯びた大きなハート!  変わることのないネオクラシックの基礎となるモチーフのジュエリーを提案したというデビューコレクションにラインナップされたのは、ハートモチーフをはじめ、スネークブレスレット、「プラダ トライアングル」モチーフなど、誰もが長く愛せるベーシックなデザイン。

 実は、私にとってハートは「王道」ではあるものの、フェミニンで可愛らしいイメージが強く、少々苦手意識があるモチーフでした。しかし、プラダのハートは、立体感やボリューム、パーツのバランス感などが絶妙に洒落ていて、「このハートなら、“意外性”のあるスタイリングが合いそう」と、即座にアイデアが湧いてきて。シンプルなカシミアの黒いセーターにこのネックレスをつけ、メイクは素肌感を大事にした無造作な感じで……と、具体的な女性像がパッと思い浮かんだのです。

 私のイメージは、「辛口好みな、いつもはハートをつけない人がつけるハート」。一見クールにみえる人のフェミニンな内面が垣間見えたようでドキッとするような“意外性”を演出し、かつこの先もずっと愛せるエターナルな美しさも備えているのがプラダのハートモチーフだと思います。自分の“アイコン”としていつも身につけてもいいですね。

 磨き上げられたリサイクルゴールドは、大人の柔らかな肌に艶をもたらし、つける人自身の「人となり」を照らし出してくれます。そして、いつか、プラダのハートモチーフが似合うチャーミングなおばあちゃんになれたら素敵ですね。

*記事内のYG=イエローゴールドを表します

プラダ クライアントサービス

フリーダイヤル 0120-45-1913
https://www.prada.com/

伊藤美佐季(いとう みさき)

ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を生かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。近著に『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』(ダイヤモンド社)
Instagram @jewelryconcierge_m

Column

伊藤美佐季のSource of yourself

ジュエリーディレクターの伊藤美佐季さんが指南する、大人のためのジュエリーの選び方と、つけ方のエッセンスを連載でお届けします。

2023.03.26(日)
Edit & Text=Miwako Yuzawa
Styling=Misaki Ito
Photograph=Keita Goto (W)

CREA 2023年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いま、進化する韓国へ!

CREA 2023年春号

いま、進化する韓国へ!

定価950円

「CREA」2023年春号は久しぶりの韓国特集。韓屋や古いビルを大胆にリノベーションしたカフェ、アートピースみたいなスイーツ、新しい感性で作られる器や伝統の布――。久々の韓国は何もかもがパワフルに、ダイナミックに新しく変わり続けていました! ソウルを中心に、現地でやりたいことを詰め込んだ一冊を片手に、旅に出かけませんか。