この記事の連載
- 大分県国東半島を旅する【前篇】
- 大分県国東半島を旅する【後篇】
◆銀たちの郷
“銀たち”とは、国東の名産であり、激流にもまれて銀色に輝くほど美しい太刀魚のこと。「開運ロード とみくじ」にも近い場所にある「道の駅くにさき」の敷地内にある「銀たちの郷」では、そんな銀たちに舌鼓。
名物は太刀魚の蒲焼重「太刀重」。こってりと脂がのって、かつ繊細な身を蒲焼にし、ほかほかごはんにのせたご馳走だ。
いろいろな太刀魚を楽しみたければ、「太刀魚定食」を。新鮮な太刀魚が手に入ってこそ作れるお刺身や塩焼き、天ぷらにあら汁と充実の内容だ。プラス800円で、白いごはんを太刀重に変更することもできる。
ちなみに「銀たちの郷」売店では地元の海産物を、お隣の「道の駅くにさき」では農産物、そして宝くじも購入可能!
銀たちの郷
所在地 大分県国東氏国東町小原2662-1 道の駅くにさき内
電話番号 0978-73-2170
営業時間 11:00~15:00、土曜・日曜・祝日は~16:00
定休日 第4水曜
https://visit-kunisaki.com/spot/銀たちの郷/
◆大分うにファーム
一般に公開されていないものの、国東半島で注目を集めているのが「大分うにファーム」だ。2019年に設立され、2021年にこちらの“ファーム”が完成している。
ご存じの通り、ウニは高級食材。天然ウニは天候に左右され、供給量も価格も安定しない。「大分うにファーム」では、藻場を荒らすウニを駆除・廃棄ではなく畜養する技術を開発したウニノミクス社と共同で陸上でのウニの畜養事業をスタート。管理が行き届き、安定しておいしいウニを作り出せるようになった。
畜養ウニのブランドは「豊後の磯守(ぶんごのいそもり)」として県内・首都圏の高級旅館や日本料理店、台湾などへも輸出されている。
大分うにファーム
◆地獄温泉ミュージアム
さて、国東半島を旅するとき、やはりスルーできないのが別府の温泉。
2022年12月1日に、別府鉄輪にできたのが「地獄温泉ミュージアム」。別府の温泉がつむいできた歴史やここにしかない温泉の魅力を体験型で楽しむことができる。
このミュージアムで体験できるのは、1滴の雨粒が長い長い時間をかけて温泉に湧き出るまでの旅。自分が雨粒になり、地球と時間を旅するという壮大な疑似体験だが、飽きさせない演出とフォトスポットだらけで、とにかく楽しい。
「SCENE 1」では、美しい映像を鑑賞。「SCENE 2」では水滴が50年もの時間をかけ、イオンと結合しながら地中を旅していくのだが、好きなスポットで持っているカードにイオンスタンプを押し、最後にAIでどんな泉質ができるかを判定する。ここではフォトスポットが多く、大人も子どもも学びながら大はしゃぎ。
雨粒となった参加者は、ついに地上へ。ここで、「地獄」と呼ばれた昔からの温泉と、人間のつながりを映像で鑑賞する。その美しさと、感動的なファイナルに、温泉がますます好きになる。
最後となる「SCENE 4」は、温泉とアートや文化をつなげる企画展示。2023年11月30日までは、デザイナー廣川玉枝によって創られた「地嶽祭」の衣装展示が行われている。どこか恐ろしくも自然と文化、風土の豊かさが伝わってくる展示に、また胸を打たれる。
まずは「体験」してほしいミュージアム。カフェやショップも充実しているので、ぜひ立ち寄りたい最新スポットだ。
後篇では国東半島のパワースポットや城下町をご紹介。
地獄温泉ミュージアム
所在地 大分県別府市鉄輪321
電話番号 0977-84-7858
営業時間 9:00~18:00(最終入場17:30)
定休日 不定(年4回程度)
入場料 一般1,500円
https://jigoku-museum.com/
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2023.02.20(月)
文=CREA編集部
撮影=釜谷洋史