この先の「スタイル」の軸になる輝きをセレクト

 「この先、長く愛せる輝き」として、今回私が選んだものの基準はふたつあります。まずは私自身がつけてもいいなと思うもの。仕事柄、毎日のようにジュエリーや時計に触れていますが、自分でつけたいと思うものって、実はそう多くはありません。私好みの輝きの中から、「定番」として廃れない美しさを放つもの、もしくは新しいブランドやコレクションで、これから先「定番」になっていくであろうものを選んでいます。

 ふたつ目は、ジュエリーが、つける女性の「スタイル」を形作ってくれるようなもの。ベーシックに「+α」できる、つまり「自分らしさ」を加えられるものが、その人らしいスタイルを語るアイテムになります。

 例えば、ポメラートのリングなら石の色に個性を出す、キウナのバングルなら数本重ねるなど、ちょっとしたアレンジで「その人らしさ」をプラスしやすいものをセレクトしました。今後の「スタイル」の軸になっていくような、モノとしての存在感のあるものが、長く愛されていく輝きになるのだと思います。

» 伊東美佐季さんセレクト“100年ジュエリー”12品を写真ですべて見る


大人の手に映えるシックなニュアンスカラー

◆ポメラート「ヌード」のリング

 隠れたセッティングの色石に、さざ波のようなカッティングを施したポメラートのシグネチャーリング。

「たくさんの種類の色石がありますが、年齢を重ねても飽きずにつけられるのは、ニュアンスのあるシックなカラーだと思います。私が“大人色”として選んだのはこの4色。レイヤードするときは、石のサイズを変えるとリズムが出ます」(伊藤美佐季さん)

ポメラート クライアントサービス

フリーダイヤル 0120-926-035
https://www.pomellato.com/

シンプルな服に合わせたいアートピースのような輝き

◆エルメス「シェーヌ・ダンクル・パンク」のチョーカー

 シェーヌ・ダンクルのコマを伸ばし安全ピンの形に仕上げた、コンテンポラリーなフォルムのチョーカー。

「一見難しそうですが、実は誰にでも似合うデザイン。どんな年齢の女性がつけていても格好いいし、Tシャツでもソワレでも映える万能選手なんです。ネックレスはチェーンタイプがポピュラーですが、チョーカータイプは顔まわりが華やかになり、洒落て見えるので、持っていると重宝します」(伊藤さん)

エルメスジャポン

電話番号 03-3569-3300
https://www.hermes.com/

感度の高さを物語るモダンなフォルムの地金リング

◆レポシ「ベルベル」「アンティフェール」のリング

 パリ・ヴァンドーム広場に拠点を構え、3世代にわたる老舗のジュエラーを受け継いだガイア・レポシ氏のビジョンがメゾンを一新。エッジの効いたモダンなデザインは、感度の高い女性たちから高い支持を得ている。

「ベルベル」はベルベル人トゥアレグ族のタトゥーを再解釈、先の尖ったラインが連なる「アンティフェール」は、フランス・ノルマンディー地方にあるアンティフェール絶壁を彷彿させるデザイン。「レポシの地金のリングは、厚みが薄くて指へのフィット感が抜群。そして何より手の表情がフレッシュに見えるんです。ガイア・レポシさんの旬の感性を生かしたデザインに惹かれます」(伊藤さん)

レポシ日本橋三越本店

電話番号 03-6262-6677
https://repossi.jp/

2023.02.13(月)
Text & Edit= Miwako Yuzawa
Photographs=Masanori Akao
Styling= Misaki Ito

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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