お金の話は子どもに日常的にしている

――お金は扱い方を間違えるとすごく怖いものになってしまうと思うのですが、上戸さんが一番怖いものってなんでしょう。

 やっぱりお金かも。お金は人を変えると思うし、「評価=お金」と思いたくない。なので、なるべく無駄なお金を動かさないように、誰かのためになることや寄付などいい方にお金が動くように心がけています。

――幼い頃から第一線で活躍していらっしゃるのに、金銭感覚がしっかりされていますね。

 お金が人を狂わすということを分かっているし、苦労した家庭で育ったからかもしれないです。「お金があるから幸せになれる」という方もいますが、私は正直あまりそれが理解できなくて。「お金がなくても幸せはいっぱいあるのに」って言うとキレイ事だって思われると思うんですけど、私はそういう家庭で育ってきたので母に感謝ですね。

――ご家庭を持たれて、お金の使い方や管理の意識に変化はありましたか?

 昔も今も、本当にお金と数字に全く興味がないんです。もう37歳なので、いい加減自分で管理しなきゃいけないんですけど、母を信用してまかせっきりなところがあります。

――お子さんの金銭感覚の育て方で何か意識をされていることがあれば教えてください。

 なるべくお金の話は子供の前でしたくはないんですけど、大人同士の会話の中でお金の話は日常的に出てきちゃうので、そういう時にどういう意味なのかとか、「それ何?」って聞かれたらなるべく的確に答えるようにしています。

 例えば、習い事のお金にしても「あなたが今通っているスクールに毎月これだけのお金を使っているからね」ということは伝えています。お月謝も、子供から「ありがとうございます」と言って先生に渡してもらうようにもしていますね。そう思うと、割とお金の話は日常でしているかも。

2023.02.16(木)
文=根津香菜子
撮影=平松市聖