――オンエアはどこでご覧になったんですか?

BKB 当日はアインシュタインの単独ライブで、北海道にいたんですよ。テレビ放送は21時からで僕の話は4つ目だと聞いてたのですが、21時半から打ち上げが始まってしまって。観るかどうか直前まで迷っていたんですけど、周りが「観たほうがええんちゃう?」って気を使ってくれたので、番組が始まる10分くらい前にホテルへ戻ってひとりで観ました。

 けど、テレビもちっちゃいし、緊張もあってあんまり集中できなくて。CM提供のテロップで“バリ・奇妙な電話に・びっくり”ってBKBしてくれてたんですけど、それもあとになって気づきました(笑)。

 

小説を書いたきっかけ「編集者はインディアンス田渕」

――元々、小説を書いてみたいという思いはあったのですか?

BKB 超若手の頃、2~3時間かけてショートショート小説を書いてたんですよ。もう趣味ですよね。それを同期の守谷日和に見せたら、「それもいいけど、ネタ書くほうが大事やろ」って言われて……。守谷日和のせいで、小説家としてのスタートが遅れましたよね(笑)。

 2014年に大阪から上京するんですけど、当時のマネジャーに「できることをなんでも言ってください」と言われたんで、「趣味でショートショートを書いてました」って言ったら軽くスルーされました(笑)。芸人としての仕事もあんまりない頃やったから、マネジャーも「そっちで何か」とは当然ならないですよね。けど、書くのは好きやしなぁと思って、そこからもたまに書いてたんです。それをインディアンスの田渕に見せてたんですよ。

――なぜ田渕章裕さんだったのですか?

BKB 幕張の劇場楽屋で、偶然話してた時やったと思いますね。あいつが「僕、意外かもしれないですけど、小説がめっちゃ好きで。けど、最近はあんまり読む時間がないんですよね」って言ってきたんで、「俺、短編書いてるで」って返したら、見せてくださいっていうことになったんです。

2022.12.30(金)
文=高本亜紀
撮影=平松市聖