美山 5歳の頃、「ちゃお」という漫画雑誌をよく見ていて。その雑誌のなかに、芸能事務所のレッスン生募集の広告が掲載されていて、それを見て応募しました。
――それは、俳優に憧れていたからですか?
美山 いえ、実は当時、俳優になりたいとかテレビに出たいとかは全く考えていなくて。どちらかというと、習いごとをしてみたかったんですよね。歌とか、ダンスとか、バレエとか。
そんなときに雑誌の広告を見て、「芸能事務所のレッスンなら、やりたいことが全部できそうだね」と母と盛り上がって、そのまま習いごと感覚で事務所に入ったんです。
『僕カノ』に出演するまでの経緯
――そこからどのような経緯で『僕カノ』出演に至ったのですか。
美山 毎週土曜日に事務所のレッスンへ通いながら、時々オーディションを受けて、少しずつドラマに出る機会をいただけるようになったんです。そして6歳のときに受けたオーディションで、『僕カノ』への出演が決まりました。
――たくさんの大人に囲まれてオーディションや撮影に臨むのは、大変なことも多かったのでは?
美山 それが、あくまで「習いごとの延長」という感覚だったんですよね。レッスンは普段の習いごとで、オーディションや撮影は発表会のイメージ。
周りの大人たちもとても優しかったし、撮影では現場で仲良くなった友達とも会えるから、単純に楽しいなって思っていました。
――『僕カノ』の凛ちゃん役で「天才子役」と注目を浴びて、環境の変化はありましたか?
美山 実は、当時はドラマがヒットしていることに気付いていなかったんです。まだ7歳だったからドラマよりもアニメのほうが好きだったし、何よりドラマの放送時間にはすでに寝ていたから、リアルタイムでは見たことがなくて。
だから、番宣などでドラマ以外のメディアに出る機会が増えたり、周囲の人たちから「『僕カノ』見ているよ」と言われたりしても、いまいちピンとこなかったんです。むしろ、「なんで私の習いごとをみんな知っているの?」と不思議に思っていました。
2022.12.08(木)
文=仲 奈々