花を買って家に飾る、それだけでも十分に豊かな時間を過ごせるけど、花の楽しみ方はノールール。今まで知らなかった新しい花との付き合い方を、フラワーデザイナーの佐藤俊輔さんがお届け。もっと自由に花と触れ合って、プレイフルな日々を楽しもう。
南半球の夏に思いをはせて「サマークリスマス」を楽しもう!

色鮮やかな紅葉も本格化し、冬の足音が聞こえ始めましたが、日本と季節が逆の南半球では、春が過ぎこれから夏がやってきます。
サンタの恰好をしてサーフィンを楽しむ姿などを、度々テレビで見かけることもありますが、暑い季節に迎えるクリスマスや新年は、日本で迎えるものとは一味違った趣があるのではないでしょうか。そんな南半球の夏に思いをはせて、今年は「サマークリスマス」をお家で再現してみませんか?
ワイルドフラワーってどんな植物?

日本では、クリスマスにモミの木のツリーなどを飾りますが、サマークリスマスに欠かせない植物といえば、南アフリカ、オーストラリアといった南半球原産の植物、ワイルドフラワーです。
乾燥した気候で育つことの多いこのワイルドフラワーは、瑞々しさや儚さといった従来の植物の印象とは違った、力強さと野性味に溢れています。地域固有の花という意味でネイティブフラワーとも呼ばれます。
ワイルドフラワーは、丈夫で長持ちするものがほとんどです。普通に水につけて飾っていても2~3カ月は綺麗な状態をキープできますので、今から飾って、クリスマスも美しい姿を楽しめます。
また、ドライフラワーにしても色褪せにくく、質感がそのまま残るのも嬉しいポイント。クリスマスに向けて少しずつお気に入りのワイルドフラワーを買い集めて、ドライフラワーにしていくのもオススメです。
ちなみに海外ではクリスマスに向けて何カ月も前から準備をすることは珍しくありません。クリスマスの食卓に飾るレースを編んだり、ツリーに飾るデコラティブなクッキーをひと月前から焼いたり、アドベントカレンダーを作ったり、準備の段階からクリスマスを楽しみます。今年は、いつもよりもたっぷりと準備に時間をかけて、クリスマスを長く楽しみましょう。
そして、いよいよクリスマスが近くなったら、これまでに作ったドライフラワーを使って簡単なクリスマスアレンジをしてみましょう。
花屋さんで手に入れやすいワイルドフラワー4選
花屋さんで手に入れやすいワイルドフラワー4種類とその飾り方をご紹介します。
◆01プロテア

ワイルドフラワーの王様といえばプロテア。エキゾチックなその姿はインパクト抜群で、アレンジメントの主役として活躍します。連載「ブルームカレンダー」で8月22日の花としてご紹介しています。

プロテアは、花姿を生かしてシンプルに単品で生けるのがオススメ。今回は野性味溢れる大柄のゼブラ模様の花器に一本生けてみました。ドライフラワーになると、色がギュギュッと濃くなって落ち着いた雰囲気になります。
2022.12.09(金)
文=佐藤俊輔
撮影=平松市聖