世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。

 第5回は、小野アムスデン道子さんが米国ポートランドで出会った摩訶不思議な自転車についてのレポート。

世界一ブルワリーの数が多いクラフトビールの天国

 オレゴン州ポートランドは、成田からデルタ航空の直行便が飛び、アメリカ北西部でシアトルに次ぐ規模の都市。一方、緑豊かな街並に路面電車が走り、自転車の駐輪用ラックがそこここにあって、サイクリストに優しいエコな街としても知られる。

オレゴン富士と呼ばれるフッド山を望む。親近感を覚える美しいポートランドの街
「ケネディスクール」といっても、学校ではない。ここはブルワリーパブ

 もう一つ、ビールの醸造所(ブルワリー)が市内で51もあり、「世界一ブルワリーの数が多いクラフトビールの天国」としてビール好きにはつとに有名だ。それぞれのブルワリーが個性を競い、街のあちこちでホップの香り高い出来立てのビールをパブで飲める。
 中には、元は小学校、教会、劇場だった古い建物を取り壊しから救い、ブルワリーパブとして再生しているところも。さすがエコの街のパブは違う。

黒板に描かれているのは、講堂シアターの上映作品

 ここマクメナミンズが経営するブルワリーパブ「ケネディスクール」は、名前も学校そのまま、宿泊もできて、客室は元の教室。講堂は映画シアターに、説教部屋はなんとシガールームに変身している。しかし、建物はほぼ当時のまま。今も近隣が集まるパブとして愛され続けているわけだ。

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2013.10.29(火)
text & photographs:Michiko Ono Amsden